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インタビュー

アナログフィッシュ

ハッピーなハーモニーを奏でる、急成長の新作を紐解いてみよう!!


“Living in the City”“アンセム”“Magic”といった3枚のシングルによって示されたとおり、下岡晃(ヴォーカル/ギター)、佐々木健太郎(ヴォーカル/ベース)、そして斉藤州一郎(ドラムス)から成る3ピース・バンド、アナログフィッシュのセカンド・アルバム『ROCK IS HARMONY』はカラフルなポップ感覚が前面に押し出された一枚となった。クリックを使ったレコーディング、ギターの音色の広がり、そして何よりも「日本のメインストリームでやってる人たちと同じ土俵に立ちたかった」(佐々木)という意思こそが、本作のあっけらかんとしたヌケの良さの要因なのだろう。

「バンドで音を出す前に、MTRで基本的なアレンジを作るようにしたんです。そうすることで楽曲の持ってる核が壊れなくなって、イメージどおりの曲が作れるようになったんですよね。それが〈わかりやすさ〉に繋がってるのかも」(下岡)。

「クリックを使うことで、(ふたりのヴォーカルが)いちばん良い状態で歌えるテンポをキープできるようになったことも大きいですね。以前は演奏に熱中して、いつのまにか曲のスピードが上がってることもあったから」(斉藤)。

 しかし、本作は決して〈わかりやすい歌モノ〉に終始しているわけではない。例えば「誰も譜面に起こせなかった」(佐々木)という極めて個性的なリズムと美しくもダイナミックなコーラスワーク、そして意表をつくコード進行が同居した“世界のエンドロール”など、このバンドでしか生み出せない自由でトリッキーなバンド・アンサンブルもしっかり維持されているのだ。

「好きな表現があって、しかも風通しがイイ。そういうものをやりたいと思ってるんですよ。明るくてエッジが立ってる音楽っていうか……。しばらくは、そこを意識していきたいですね」(下岡)。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2006年12月14日 23:00

ソース: 『bounce』 282号(2006/11/25)

文/森 朋之