インタビュー

ASA-CHANG&ブルーハッツ

豪華参加陣で彩られた、幸せの青い帽子を被るビッグバンドの、一夜限りのライヴがいま甦る! 


  安室奈美恵やハナレグミなど、多くのアーティストのツアー・サポートやプロデュースを手掛けるASA-CHANG。八面六臂の活躍ぶりで、ドラマーとしてどんな現場においても唯一無二の強烈な存在感を見せつける彼が、新たに結成したバンドがASA-CHANG&ブルーハッツだ。その一夜限りのライヴの模様を収めたCDとDVD〈真夜中のブルーハッツ Live in Shibuya 2006〉が同時リリースされた。

 「静のエンターテイメントがASA-CHANG&巡礼だとすれば、躍動感のある動のエンターテイメントをやりたいなと思った時に、ビッグバンドのショウ・スタイルっていうのが自然と浮かんだ」(ASA-CHANG:以下同)。

 ストリングスも加えた総勢16名のビッグバンドには、コンサート・マスターを務めた鈴木正人をはじめ、梅津和時、NARGO(東京スカパラダイスオーケストラ)、坂本弘道(ノータリンズ)、浜野謙太(SAKEROCK)、塚本功、田中邦和といった一筋縄ではいかないミュージシャンたちがズラリ。また、Leyonaや小島麻由美らがシンガーとしてステージに立ち、さらには元渋谷系力士で現親方である敷島が司会を務め、自慢のノドまで披露。〈青い帽子を被る〉という共通点以外は世代もバックグラウンドも(体型も)バラバラな面々が彩る舞台には、往年の歌謡ヴァラエティー番組のような猥雑さも漂っている。

 「子供の頃に観てた〈8時だョ!全員集合〉でも、生番組で尺がない時ってエンディングが物凄く早くなっちゃってたりするじゃない? ああいう大所帯ならではのライヴ感というか、コントロール不能な、エラーが起きちゃったような感じが好きですね」。

 もちろん、ブルーハッツがアヴァンギャルドでフリーキーなバンドかというと、まったくそんなことはない。コンセプチュアルでありながら、その枠組のなかでは自由奔放に音が奏でられている。そのあたりは、かつて〈スカパラ〉というバンドを創設したASA-CHANGらしいアプローチだろう。

 「〈芸能〉だか〈芸術〉だかいろんな言葉を使うけれど、結局は見世物じゃねぇか、っていう。メンバーそれぞれに〈芸人根性〉みたいなものがあると思うし、そういうところが譜面上のお約束以外の部分でバリバリに出てて」。

 ちなみに、バンドを結成して真っ先に行ったのは「譜面を作るよりもまず、メンバー全員の頭回りの採寸」だったとか。これまたASA-CHANGらしいエピソードである。
▼ASA-CHANG&ブルーハッツの作品。

▼参加メンバーの作品を一部紹介。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2006年12月21日 17:00

更新: 2006年12月21日 23:37

ソース: 『bounce』 282号(2006/11/25)

文/宮内 健