インタビュー

UNCHAIN

爽快な〈ギリギリ・ポップ〉を鳴らすニューカマーが飛び立つぞ!!


  ジャズ、ソウル、ブルース、ファンクなどをベースとしたフィジカルなリズムと、AORやフュージョンさえ匂わせるシティー感、そしてロックが放出するダイナミズム……そんな幅広い音楽性が一体となった、とんでもなくグルーヴィ-なロックンロールを体現する大阪在住の4人組、UNCHAIN。

「曲の中にブルージーな部分がないとイヤなんですよ。そこをいかに受け入れやすくするか、ですね。ソウルフルな歌い回しとかリズムの気持ち良い感じを、ロックが好きな人にも聴いてもらいたいんです」(谷川正憲、ヴォーカル/ギター)。

 メンバーの平均年齢は24歳。その若さに似合う瑞々しさと、相対する成熟したセンスを併せ持つ彼らが、メジャー・デビュー作となるミニ・アルバム『departure』をリリースする。飛翔するメロディーが聴き手を爽やかに昂揚させる“make it glow”、ジャミロクワイを彷佛とさせるファンキーでスタイリッシュなダンス・ナンバー“Movin' my soul”をはじめ、心と身体が否応なく反応してしまう本作は、強烈な個性を放つアレンジを随所に施しながら、柱となるポップなメロディーを際立たせた仕上がり。そのバランス感覚はまさに職人技だ。

「自己主張が大好きですね。音色だったり、リフだったり。メロディーを活かすっていうのをメインで考えてはいるんですけど、そうじゃないところはオレ節全開で(笑)」(佐藤将文、ギター/コーラス)。

「ポップな部分とそうでない部分との境界線を狙っているというか、時々ハミ出しているというか(笑)。〈聴きやすい〉という領域から出ないところで、どれだけ遊ぶかが勝負。〈ギリギリ・ポップ〉という感じです(笑)」(谷川)。

 そのギリギリ具合にこちらはメロメロなんだよなぁ……末恐ろしいニューカマーの登場だ。

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掲載: 2007年02月01日 21:00

ソース: 『bounce』 283号(2006/12/25)

文/土田 真弓