DE DE MOUSE
爆発的ヒットのデビュー作から半年、よりメロディアスな新作が到着!
キラキラした電子音の星空に舞う、オリエンタルな歌声……一度耳にしたら忘れられないキラー・チューン“Baby's Star Jam”で、一躍その名を知らしめた男、DE DE MOUSE。むせかえるほどロマンティックなその音世界は、アンダーグラウンドなダンス・シーンの枠を飛び越え、あらゆるリスナーの琴線を直撃。1月に発売されたファースト・アルバム『tide of stars』は、発売から半年を経て〈SPECIAL EDITION〉の形で再発売されるなど、異例の超ロング・セールスを記録する事態となった。そんなここ最近の鮮烈な活躍っぷりゆえに、突如登場した感のあるDE DE氏だが、若いながらも歴史あり。意外とそのキャリアは長い。
「高校生の時にエイフェックス(・ツイン)の『Rechard D. James Album』を聴いて、音楽ってこんな直感的でいいんだって思ったんですよ。音楽理論に左右されない、踊れる/踊れないも関係ない、そういう感覚だけで作っていくものに、すごく可能性を感じて〈俺がやるものはこれしかない!〉と。若かったから、高尚なものをやりたくて〈これがアートだ!〉って勘違いしていた。でも2年くらい前に、海外のものとの決定的な音の違いを指摘されて。それまではビートを核にした音楽を作っていたんだけど、この分野じゃ太刀打ちできないなあと感じてしまったんです」。
こうして直球のドリルンベースやブレイクコアとは別の道を探り始めるのと前後して、彼が新たに〈発見〉した音楽。それはJ-POPや歌謡曲だった。
「突然、キリンジがものすごく好きになったんですよ。“悪玉”という曲をクレイジーケンバンドの(横山)剣さんがリミックスしたヴァージョン。あれをお店で聴いて〈プロレスのヒール(悪役)のことをオフコースみたいなコーラスで歌ってる、なんてすごいセンスなんだ!〉と思って(笑)。キリンジに出会って音楽を聴くときに耳を向けるポイントが変わったんです。とはいえ、意識的にポップスを取り入れたつもりはなくて、気が付いたら自分の音楽もメロディ主体になっていった。ひとつだけ意識したのは、アニメーションを想起させる音楽ということですね。そういうものが作りたかったんです」。
映像をイメージさせる音楽というと、エレクトロニカ的な音像に流れがち。だがDE DE MOUSEの場合は、80年代のエレ・ポップやユルめのイージー・リスニングといった、どこかチープでノスタルジックな音を引き出してくる。そこがむちゃくちゃ面白い。
「スーパーで流れているようなフュージョンやイージー・リスニングみたいなものが好きなんです。レーベル・メイトのCHERRYBOY(FUNCTION)とも、最初は100円ショップで売ってるCDの話で意気投合したし(笑)。そういう気持ちでやってるものがアンダーグラウンドなところでも評価されるっていうのは嬉しいし、たぶんみんな同じ匂いを感じてるんじゃないかと思って」。
確かにCHERRYBOY FUNCTIONやTRAKS BOYSといった若い世代のトラック・メイカーたちは、DE DE MOUSEと世界観を共有しているように思える。シティ・ポップでロマンティックでアーバン……彼らがこういうキーワードで結び付くのは何故なんだろう?
「僕の場合は、都市郊外の町並みにものすごく惹かれるんですよ。区画整理された、人工的な自然の風景を美しいと思ってしまう。ものすごく殺伐とした狂気を感じたりもするし。そういう郊外の街に合う音楽、サバービアな感覚の音楽をずっと作っていきたい。これは生涯のテーマだと思ってます」。
周囲の期待が日々膨れ上がる中、DE DE MOUSEは次の扉を開けるミニ・アルバム『east end girl』をリリースした。「セカンド・アルバムへの窓口」だという本作は、これまで以上にビートを抑えた仕上がり。より普遍的な魅力を備えた、ドリーミーなポップ・ミュージックを提示している。
「『tide of stars』は、あの形がベストだと思ってますけど、ビートがメロディを引っ張るあのスタイルに今の自分は居ないんですね。よりメロディが主体となったものを今は作りたい。もうセカンド・アルバムも作っているんですけど、『tide of stars』があれだけ受け入れられたから、そのプレッシャーを受けてどういうものが作れるかっていうのは勝負だと思ってます。期待していてください」。
DE DE MOUSE『east end girl』
1.east end girl(試聴する♪)
2.tide ride baby
3.boy around the world
4.rats walks my forehead slowly
5.eastend girl -CHERRYBOY FUNCTION REMIX-
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