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インタビュー

MINMI

産休明けのMINMIからベスト盤が到着! ジャパレゲ史を塗り替えた特大ヒット群と共に、彼女の復帰を祝福しよう!


 出産のため、昨年1年を休止期間にあてたMINMI。90年代半ばにマイクを握りはじめて以降、途切れることなく勢力的な活動を続けてきた彼女にとって、これだけの長い休みは初めてのこと。取材場所に現れたMINMIの表情は、以前よりもどこか柔和な雰囲気を漂わせていた。

「ひと区切りになるかなと思ったんですよね。2008年から〈第2期MINMI〉を迎えるにあたって」。

こう話すのは、今回リリースされるベスト・アルバム『MINMI BEST 2002-2008』について。本作は猛ダッシュで駆け抜けてきた彼女の6年間を振り返るものであり、MINMIが次々と新たな表現を獲得してきたことを改めて示すものでもある。この6年間、彼女だけでなく日本のレゲエ・シーンも大きく変わった。

「客層の変化を感じることはありますよ。もちろんコアなカルチャーを残したいっていう気持ちもあるけど、マイクを握りはじめた10数年前はもっとたくさんの人にレゲエが伝わって、もっといろんなところでレゲエが流れてほしいと思ってた。だから、ある意味では(その夢は)叶ってますよね。いろんな聴き方、楽しみ方が増えたんじゃないですか。また、そこから新たな音楽が生まれるかもしれませんね」。

ジャパニーズ・レゲエ人気の拡大に彼女が果たしてきた役割を、ここで改めて強調する必要はないだろう。“The Perfect Vision”“アイの実”“サマータイム!!”“シャナナ☆”……〈DISC-POSITIVE〉〈DISC-HAPPY〉という2枚に分けて収録された数々のビッグ・ヒット。曲名を見ただけで、あの声・あのメロディーがすぐさま浮かんでくる。

注目は、初回限定盤のみMINMIの盟友とも言うべきJUNIOR(RED SPIDER)が手掛けるミックスCDが付いていること。彼女とJUNIORが主宰するレーベル、ZAREKの音源やダブ・プレートも収められた完全現場仕様のこのミックスを聴けば、「前に出てマイクを取ってナンボだから、積極的にやらないと誰からも声をかけられない世界だった」というアンダーグラウンドなレゲエ・シーンを彼女が勝ち抜いてきたことを再認識させられるはずだ。一方で、大沢伸一が新たにリミックスした“The Perfect Vision”やm-floとの“Lotta love”などからは、彼女のヴァーサタイルな魅力もくっきりと。夏には、久しぶりのライヴ・ツアーも予定されているという。

「約1年ライヴを休んでいたぶん、ライヴへの欲求も高まってますね。高まりすぎて空回りしたらどうしよう(笑)。子供が生まれて、ひと回りパワーアップした私を見せることができたらいいなと思います」。

彼女の表情に妙な力みは一切ない。「子供ができたことで優しくなった気がする。あと、他の人を見ても〈この人にも親がいるんや〉っていう気持ちが出てきて、ひとりひとりをもっと大切に感じられるようになりました」と優しく微笑むMINMI。彼女の今後を見守るうえで、MINMIの〈これまで〉が詰まった『MINMI BEST 2002-2008』は〈ひと区切り〉以上の意味を持っているのかもしれない。

▼MINMIのアルバムを紹介。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2008年06月12日 21:00

ソース: 『bounce』 299号(2008/5/25)

文/大石 始

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