インタビュー

RANCID

待たせたな! 初のメンバー交替を経て、ストリート・パンクのドンが6年ぶりに新作を投下!!

  前作『Indestructible』から実に6年、ランシドが何とあのジョージ・ルーカスの所有するスカイウォーカー・スタジオでレコーディングしたというニュー・アルバム『Let The Dominoes Fall』をリリース。

 「なぜジョージ・ルーカスのスタジオだったか? いい質問だ。理由は2つ。オレたちは全員忙しい。だから(プロデューサーの)ブレット・ガーヴィッツは、オレたちがアルバムに専念できる場所に連れて行きたかったんだ。これが主な理由。そしてもうひとつは、そこがレコーディングに最適な場所だったから。バイクで移動しなければならないくらい敷地が広大で、環境が素晴らしいんだ」(ティム・アームストロング、ギター/ヴォーカル)。

 「本当に素晴らしかったな」(マット・フリーマン、ベース/ヴォーカル)。

 ブランクの間には、オリジナル・ドラマーのブレット・リードが脱退し、元ユーズドのブランデン・スタインエッカートが加入するという、長いキャリアで初となるメンバー交代もあった。

 「ランシドはずっと大好きなバンドで、オレはいつも雑誌の記事を読みながら、ニュー・アルバムを心待ちにしていたひとりだったんだ。自分がメンバーの一員だなんて、とてつもないことだよ」(ブランデン)。

 「こいつは本当に凄いドラマーだよ。このバンドにいままでとはまるで違う次元のものを持ち込んでくれて、成功をもたらしてくれたんだ」(ラーズ・フレデリクセン、ギター/ヴォーカル)。

 新ラインナップとなったことが、バンドによりポジティヴで開かれたクリエイティヴィティーをもたらしたのだろう。今作は初めてフロント3人が代わる代わるでマイクを取るメロディックなナンバーをはじめ、激情パンクあり、アッパーなダンス・チューンあり、スカあり、アコースティックありと多彩な作風を披露しつつ、熱いライヴ感に溢れた最高&最強の仕上がりに。〈パンクに選ばれたカリスマ〉の、完全覚醒を告げる一枚だ。

 「このアルバムには、いままでのどの作品よりもオレたちの魂が込められている」(ラーズ)。

 「その通り。アルバムを作れば作るほど、自分がどれだけバンドに対して感謝の念を持っているかを実感する。オレたちはそれぞれランシドとして特別な何かを持っていて、それを大事にし、それを手にしているのが当然だとは思っていない。だからこそ、ランシドとして作品を作るのが好きなんだ。そしてオレもこのアルバムをいままででいちばん気に入ってるよ」(ティム)。

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掲載: 2009年06月03日 17:00

更新: 2009年06月03日 17:20

ソース: 『bounce』 310号(2009/5/25)

文/鈴木 宏和