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インタビュー

isis

 地元の仲間たちに刺激を受けながら自然に培われた音楽性は、やがて美しいメロディーへと結び付いた。福岡を拠点にリスナー層を拡大してきたポップス・デュオ、isisが放つ新たなミニ・アルバム『D-HOLIC + C-SONIC』から聴こえてくる歌のなかには、あなた自身のドラマが広がっている――。

  昨年10月に発表した『AQUARIA』が某音楽専門誌が集計した九州・福岡総合CDチャートで1位、福岡で行なわれるワンマン・ライヴではソールドアウトを連発。ヴォーカリストのD-High-Lowとギター、サックス、DJを担当するCu-Taによるユニット、isisは、九州では既にトップ・アーティストとしての存在感を獲得している。その音楽的特性はR&B、ヒップホップ、レゲエ、ロックなどをバランス良く採り入れたトラックメイクにあるが、それもまた、地元・福岡のシーンのなかで自然に培われたものだという。

 「小さい頃から周りに音楽を聴かせてくれる兄貴みたいな友達がたくさんいて、その時その時で好みのジャンルは違ったような気がしますね。ロック、ラウド・ロック、ヒップホップ、レゲエ、R&Bから、スケボーやBMX、ダンスをやってる人たちまで、いつでも周りに個性的で刺激的な仲間がいてくれたから、自然にいろんな音楽がルーツになってるかもしれません」(D-High-Low)。

  どこか叙情的な雰囲気を感じさせる歌もこのユニットの大きな魅力。みずからのエゴに囚われることなく、聴く人の立場に立ちながら歌詞とメロディーをブラッシュアップしていく。その誠実な姿勢こそが、彼らが九州のシーンで大きな支持を得ている理由なのだろう。

 「曲と詞については、〈D-High-LoWワールド炸裂ーーー!〉ってよりも、聴いてくれた方々が〈わかる~!〉とか、〈この人、僕/私のことどっかで見続けてきてたんじゃない!?〉ってくらいに記憶が甦って〈はぁ~……〉ってため息をついてもらえるくらいのほうが嬉しいんです。僕は曲を作る時に頭のなかですごくリアルなドラマを描くんですよ。登場人物、台詞、季節、天候、ロケ地(笑)、そこで吹いている風……などなど、キリがないくらい細かく。その僕の頭のなかのドラマが聴いてくれるすべての人々と少しでも重なったり、各々の想像で展開を広げてもらえたらと思ってます」(D-High-Low)。

 「ヒロくん(D-High-Low)の作る曲が僕自身も大好きなんです。いつも、いちファンとして楽しみに待つだけですね(笑)」(Cu-Ta)。

カテゴリ : ニューフェイズ

掲載: 2009年12月02日 18:00

文/森 朋之