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インタビュー

ロング・レヴュー:ギターウルフ 『ジェット サティスファクション』 キューン

 

ギターウルフ_J170初期衝動を持続させる。それが実現できているからこそ、ギターウルフはファンタスティックなバンドなのだ。20年以上に渡り全身全霊でロックンロールを叫び、掻き鳴らし続けた彼らがいまも「サティスファクション!」と絶唱するのは、事実、ロックンロールを渇望し、その渇きをロックンロールで満たそうとしているからだろう。最新作『ジェット サティスファクション』は、その激しい渇きを象徴するように、彼らの衝動が最初から最後まで脈打つミニ・アルバムである。

約1年半の活動休止を解き、今年見事に復活を果たした彼ら。そのブランクを埋めるように、2009年は感情の昂りをストレートかつ豪快にロックンロールへと置換し続けた。その貪欲なまでの渇きがこのミニ・アルバムに結実し、まるで生まれ変わったかのような大いなる初期衝動を呼び込んでいる。その勢いからか、いつも以上に楽曲タイトル、歌詞は荒唐無稽。しかしそのエネルギーがロックへのピュアな忠誠心と結びつき、魂のロックンロールを徹底的に追及している。なおかつ、ジャリッ! ガリッ!としたサイケ・サウンドが斬新なブルース・ナンバー“デビルクチビル”のような、ロマンティックでサイコな詩情に溢れた楽曲で幕を閉じるなど、懐の深さも充分に感じさせてくれる。

ロックンロールはいつだって格好良くなくてはならない。復活を果たしたギターウルフはその絶対的な価値観を、これからも初期衝動=ジェットに乗せて体現し続けてくれるだろう。

カテゴリ : .com FLASH!

掲載: 2009年12月24日 18:00

更新: 2010年02月10日 19:02

文/冨田明宏

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