GORILLAZ 『プラスティック・ビーチ』
「正しいヴィジョンさえあれば、驚くべきものを作り上げることができるんだ」(マードック)
2度あることは、3度ある。全世界1,200万枚のアルバム・セールスを誇るGORILLAZが、5年ぶり、通算3枚目となるオリジナル新作をリリースする。タイトルは『プラスティック・ビーチ』。バンドのリーダーで、尋常じゃなく饒舌なスポークスマン、マードック・ニコルス(Ba.)が、話を聞かせてくれた。
マードック(Ba.):以下同「そろそろオレさまが長年溜め込んできた排出物ってやつを、また放出してもいいころじゃねえかと思ったのさ。つーか、GORILLAZが元気に活躍してる間は、何もかもが愉快で、何もかもがとびきりうまくいくんだよ。オレは無敵になれる。この地球がオレの物であるかのように、世界中を悠々と泳ぎ回れるんだ。黒くて淫らなぶっといベースを、素晴らしい音楽に合わせて弾きながらね」
なんでも今作は、絶海のど真ん中に見つけた、ガラクタでできた孤島(=プラスティック・ビーチ)に、スタジオを建てて制作されたそうで、ルー・リードに、クラッシュのミック・ジョーンズ&ポール・シムノン、モス・デフ、ボビー・ウーマック、スヌープ・ドッグ、さらには国立アラブ音楽管弦楽団など、錚々たるアクトとの共演が実現。ロックから
ヒップホップ、グライム、ソウル、エレクトロ、民族音楽まで、ありとあらゆるジャンルを呑み込んだ、ボーダレスでハイブリッドなポップ・チューンがギッシリと詰まっている。
「コミュニケーションの距離が短くなり、そしてその時間も短縮されるようになった今、正しいヴィジョンさえあれば、驚くべきものを作り上げることができるんだ。大勢の人間たちのグループを、ちょうどいいタイミングで、ちょうどいい場所に集合させることだってできる。やらない手はないだろ?」
なんと、この4月にはアメリカで行われるコーチェラ・フェスティヴァルでジェイZ、ミューズと並んでヘッドライナー出演も決定した彼ら。このアニメ・キャラをまとった奇才集団に、またしても世界が揺さぶられそうだ。
■ PROFILE…GORILLAZ(ゴリラズ)
もっとも成功を収めたヴァーチャルなバンドとしてギネス・ブックにも登録されている4人組。全世界トータル・セールス1,200万枚超! グラミー賞始め受賞は数えきれず。この春コーチェラ・フェスでヘッドラインも決定!
記事内容:TOWER 2010/3/5号より掲載