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インタビュー

LATIF 『Love Is Love』

 

テディ・ペンダーグラスの魂を受け継ぐフィリーの若武者が、待望の新作をリリースするぞ!!

 

Latif -A5

 

1月に惜しくも他界したソウル・レジェンド、テディ・ペンダーグラスの遺志を受け継ぐ逸材が、新たなアルバムを引っ提げて帰ってきた。「俺の音楽性の大部分はテディから学んだものだし、彼なしで現在の自分は存在しないと思う。音楽の素晴らしさを教えてくれた師匠でもあるね」――そう語るのは、テディと同郷のフィラデルフィア出身で家族ぐるみの付き合いもあったという、シンガー・ソングライターのラティーフだ。

そのニュー・アルバム『Love Is Love』のプロデュースには、ライアン・レズリーやオークなどの実力派に加えてスターゲイトも参加しており、“Promise Me”などの美麗ミッドを提供。そのスターゲイトをして「彼はニーヨとミュージック・ソウルチャイルドを合わせたような才能」と言わしめたというラティーフだが、実際に彼自身も好きなアーティストにミュージックの名を挙げている。

「彼には“Teachme”という曲を書いたこともあるけど、同じフィリー出身のアーティストとしてとても尊敬しているし、素晴らしいシンガーだと思う。この地の音楽性を世界中に発信してくれた先輩だからね」。

同じくミュージックのプロデュースで知られるアイヴァン・バリアス&カルヴィン・ハギンスを新作に迎え、ネオ・フィリーの系譜に沿ったとろけるような美曲“Leaf In The Wind”を披露していることからも、同郷の先達から得たものは大きいと言えるだろう。さらに、モータウン時代のデビュー作『Love In The First』(2003年)ではハロルド・メルヴィン&ザ・ブルーノーツ“Hope That We Can Be Together Soon”をサンプリングしていたラティーフだが、今回はテディの代表曲“Love T.K.O.”の真正面からのカヴァーに挑んでいる。ミュージック・ソウルチャイルド、テディ・ペンダーグラス……ひいてはフィラデルフィアという街から得た恩恵は、ラティーフに遺伝子レベルで染み付いたものなのだろう。

「大きな影響を受けたし、この街に生まれ育ったことを誇りに思う。きっとこれからも歴史に残るようなアーティストを生み続けていく街だと思うし、俺もその一員になりたいという夢があるよ。フィリー・ミュージックの〈ネクスト・ジェネレーション〉として、音楽の素晴らしさを伝えていきたいと思ってるんだ」。

 

▼関連盤を紹介。

左から、テディ・ペンダーグラスの78年作『Life Is A Song Worth Singing』(Philadelphia International)、ラティーフがソングライターとして参加したミュージック・ソウルチャイルドの2007年作『Luvanmusiq』(Atlantic)、ラティーフの2003年作『Love In The First』(Motown)

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2010年03月19日 20:30

更新: 2010年03月19日 20:31

ソース: bounce 318号 (2010年2月25日発行)

インタヴュー・文/池谷昌之