インタビュー

WINTERPLAY

メロディアス&ポップ。春らんまんのジャズ・アルバム

ニュアンスのある歌声とクールな美貌を持つヴォーカリスト、ヘウォン(以下H)とプロデューサー&ソングライターでもあるトランペット奏者、ジュハン・リー(以下J)を中心とする、韓国発のジャジーなポップ・ユニット、WINTERPLAY。昨年7月に日本デビューした彼らから、早くも第2弾の『サンシャイン』が届いた。本作は韓国でゴールドディスクを獲得した作品に新録曲を加えた特別パッケージ版だそうで、前作以上にメロディアスで楽しいポップな作品に仕上がっている。

「楽しいアルバムと言っていただけて嬉しいですね。僕たちのベースはジャズですから、いくらポップに作っても自然とジャジーになりますけれど、今回は特に〈誰が聴いても楽しい〉アルバムにしたかったんです。また、1stはしっとりした曲が多かったですが、今回はライヴで曲を煮詰めていく僕ら4人の個性をうまく出しつつ、一味違った一面も出したいと思いました。以前より、ビート感が少し増したんじゃないでしょうか」(J)

今作にはiTunes storeのジャズ・チャートで1位になり、話題となったカバー曲《ビリー・ジーン》も収録。

「マイケルが亡くなる前に、ライヴで遊び感覚で歌ったのが最初です。もちろん、この曲をきちんと歌えるのはマイケル本人だけ。ただ、自分なりに表現できることはあると思いますし、心地よく歌える大好きな曲です。歌詞は女性が歌うのに適しているかわからないけれど(笑)、聴きやすく新鮮だ、と皆さんにおっしゃっていただけて、嬉しく思っています」(H)

ふわり、としたムードが全体を包む、韓国語で歌った韓国の有名曲《Dream Street》は時間に追われる現代人が、リラックスできる場所へ行きたいと願い、ある日、そんな場所へ辿り着く夢を見る……といった歌詞だそう。〈リラックス&ナチュラル〉は、どうやらWINTERPLAYのサウンドに欠かせないキーワードのようだ。

「音楽も人も同じだと思うのですが、いくら表面をキレイに作っても、不自然な部分があれば不自然さが残るもの。不自然な音楽は聴く人をリラックスさせないし、歌う自分も気持ちよくなれない。だから、私は常にナチュラルなヴォーカリストでありたい、と思っています」(H)

「ヴォーカルの存在は大きいですから、ヘウォンの個性=WINTERPLAYと解釈されがちです。でも、声も楽器の一つで僕らはメロディを持つ4人の演奏家。メロディアスな4人の個性が自然に交錯し、一つにまとまっているのがWINTERPLAYらしさかな、と思います」(J)

言葉通り、《チャ・チャ》《ジプシー・ガール》など、オリジナル曲も実にメロディアスで耳に心地よい。ソングライティングを手掛けるジュハンに「気がつくと、鼻歌で歌っている」と伝えると、満面の笑顔でこう言った。

「それは素晴らしい。これからもメロディアスな曲をお届けしますから、ぜひ鼻歌で歌ってくださいね!」(J)

カテゴリ : インタヴュー

掲載: 2010年03月24日 22:30

更新: 2010年03月24日 22:35

interview & text : 中沢明子