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インタビュー

熱帯JAZZ楽団

さらに自由になった!  15年目の熱帯JAZZ楽団!!

結成15周年を迎えた熱帯JAZZ楽団(以下、熱帯)。通算14枚目となる最新アルバムが完成した。1曲目は《パラディアム》。もともとはウェザー・リポートのレパートリーだが、1作目の『LIVE IN YOKOHAMA』にも収録されていた楽曲。今回は当時のメンバーだったSALTこと塩谷哲(P)をゲストに迎えてアレンジをもう一度見直し、この2010年ならではの〈熱帯サウンド〉に仕立て直している。リーダーのカルロス菅野は語る。

「今回は〈区切り感〉があるんです、10周年のときよりずっと。2枚目のアルバム『September』で、いろんなヒットをラテン・スタイルでカヴァーするっていう色ができて、10年経ったら〈熱帯の音〉が確固として出来上がって来た。それ以降、あまり考え過ぎずにやりたいことを素直にやれば熱帯の音が出るという感じになってきたんだけど、15年目はそれをさらに一歩進めて、最初のころの、フュージョンだったりラテンだったりジャズだったり、こんな曲やりたい!って何でもOKでやってた感覚をもう一度呼びもどしてみようと。SALTに声かけたのもそういう意味があって、確固たる熱帯サウンドにさらに刺激与えたらどうなるんだろう?という実験をしてみたかったんです」

その《パラディアム》、以前のヴァージョンより確実に難易度が増しているが、完全に自分たちのものとして取り込んでいる。まさに今回のアルバムを象徴する曲といえるのではないだろうか。さらに、「熱帯として、表現するものを選ぶ自由度がだんだん増してきている。だから、コアなラテンからサルサ、歌手とのコラボといろんな選択肢を広く持てるようになっていると思う。始めて5年ぐらいは、どうしたらいいんだろう?とプレッシャーを感じたりする時期もあったんだけど、ここのところそれが解き放たれて、可能性としてより広がって来てると思いますね。今回もその結果だと」というとおり、《サタデイ・イン・ザ・パーク》《ブラック・オア・ホワイト》といった大ネタのカヴァーからメンバーによるオリジナルまで幅広い楽曲がバランス良く配置され、スカッとした力強いサウンドを聞かせている。

「僕らはあくまで〈音楽はエンタテインメントだ〉と、楽しめるものを前面に出してやってるんだけど、その中でだんだん、プレイヤーとしてのアイデンティティのほうに近づきつつあるのも確か。そういう意味で『Liberty』という今回のタイトルは〈われわれの表現する自由度〉みたいなのを表しているといえるかもしれません。ラテン色はそんなに強くは出ていない。あくまでリズムの核としてラテンを持っているという解釈で、今回は特にそういう傾向が強いと思う。でも自分の中では、《マンボ・イン》をやってる熱帯も《パラディアム》をやってる熱帯も、あまり差はないんです。自分の中では同じ土俵にいて、その中で東にいるか西にいるかの違いだけなんですよね」

『マクドナルドpresents 熱帯JAZZ楽団15th Anniversary Live〜アルバム発売記念公演〜』
7/18(日)17:00開場/17:30開演 会場:九段会館(東京)
8/22(日)15:30開場/16:00開演 会場:サンケイブリーゼ(大阪)

『 熱帯JAZZ楽団15th Anniversary Live〜アルバム発売記念公演〜』
8/21(土)1st:17:00開場/18:00開演 
2nd:20:00開場/20:45開演
会場:名古屋ブルーノート

http://www.carloskanno.com/

カテゴリ : インタヴュー

掲載: 2010年08月17日 11:32

更新: 2010年08月17日 18:54

ソース: intoxicate vol.86 (2010年6月20日発行)

interiew&text:岡本郁生