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インタビュー

Lee Ritenour

あらゆるギター音楽に精通したリー・リトナーならではのプロジェクト

1968年に16歳でセッション・ギタリストとして活動を始め、1970年代のフュージョン・ブームを通じて人気を確立し、現在も第一線で活躍を続けるリー・リトナー。その彼が、最初にギターを手にしてから今年で50年になるのを機に、「2010年をギターの年にしたいと思った」のがきっかけで生まれた新作『シックス・ストリング・セオリー』が、6月に日本先行発売となった。ジャズ界からジョージ・ベンソンやジョン・スコフィールド、ブルース界からBBキングやケヴ・モ、ロック界からスラッシュや布袋寅泰、アコースティック・ギター界からアンディ・マッキーやジョー・ロビンソン、クラシック界から16歳の新人ショーン・ブーブリルといった豪華なゲストを迎えたこのアルバムは、リーのギター生活50周年を記念するに相応しい作品である。

「ここ2、3年、息子と一緒にYouTubeを観るようになって、才能あるギタリストの動画をたくさん目にしながら、ギターに対する世間の関心の高さを再認識していた。それで、ロック、ブルース、ジャズ、アコースティック、クラシック、カントリーという、ギターと関わりの深い6つの音楽ジャンルから素晴らしいゲストを呼ぶだけじゃなく、YouTube上で人気のギタリストにも声をかけたり、国際ギター・コンテストで発掘した新しい才能の持ち主も迎えたりして1枚のアルバム作ったら、面白いんじゃないかと思ったんだ」

楽器メーカーのヤマハやジャズ教育の名門バークリー音楽大学、リーが契約するコンコード・レコードなど、各方面の協力を得て開催されたコンテストは、YouTube上で動画を募集し(約500本の応募があったという)、上記6つのジャンルごとに優秀者を選び、その中から最優秀者1名を選ぶという形で行われた。「スタイルの全く異なるギタリストを比較するのは難しいけれど、音楽性やオリジナリティ、サウンド、プロ精神、プレゼンテーション、音楽から感じられる自信といった、全般的な観点で選んだんだ。最優秀者のショーン・ブーブリルは、6人の中では抜きん出た存在だった」

様々な方向から準備を重ねて完成したシックス・ストリング・セオリー』は、アレンジの点でもギターを主役にするための工夫が凝らされている。「いつもなら、ホーン・セクションなどのいろいろな楽器を入れて凝ったアレンジにするけれど、今回はギター以外にはベースとドラムス、オルガン、エレクトリック・ピアノといったシンプルな楽器編成にしたんだ。アコースティック・ピアノはギターと音が似過ぎているから、今回は使わなかった」

気楽な雰囲気のブルース・セッションから、ジャズやクラシックのギター・ソロまで、広範なギター音楽を集めたこのプロジェクトのライヴ版が、9月に日本でも楽しめる予定になっているが、出演者についてはまだ「聞いてからのお楽しみ」だそうだ。

 

『LEE RITENOUR 50th Anniversary Celebration - 6 STRING THEORY-』
9/23(木)〜27(月)
会場:ブルーノート東京
出演:リー・リトナー(g)ラリー・ゴールディングス(org)メルヴィン・リー・デイヴィス(b)ソニー・エモリー(ds)
http://www.bluenote.co.jp/

カテゴリ : インタヴュー

掲載: 2010年09月01日 15:18

更新: 2010年09月01日 15:26

ソース: intoxicate vol.87 (2010年8月20日発行)

interview & text : 坂本信