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インタビュー

AMWE 『GIRLS』

 

これはもうじっとしてなんかいられないよ! 呑んで踊って弾けまくりたい〈GIRLS〉へ強力な一枚をプレゼント!

 

 

フランスのレーベル、キツネのコンピにセレクトされ、ヨーロッパのファッション誌のグラビアを飾るなど海外でも注目を集めるAMWE(アムウィ)。エレクトロなサウンドで煌びやかにドレスアップしていても、その親しみやすいメロディーと歌声を聴けば、彼女のフレンドリーな人柄が伝わってくるはずだ。そんな彼女のニュー・アルバム『GIRLS』は、本人いわく「モア・ポップ! モア・キャッチー!」をめざしたものだとか。いきなりブラーのカヴァー“Girls and Boys”から始まるのも痛快だ。

「(原曲は)これぞブリット・ポップ!っていう曲ですよね。いまでもクラブでかかると盛り上がる曲で、いつかエレクトロ・サウンドにアップデートしたいと企んでたんです(笑)」。

本作には他にもカヴァーが2曲ある。彼女にとって「憧れの存在」であるテイ・トウワが所属したディー・ライト“Groove Is In The Heart”と、「この曲を初めて聴いた時、学校を2週間休んでしまった」ほど彼女に衝撃を与えたマイ・ブラディ・ヴァレンタイン“Only Shallow”。どちらの曲にも、90年代に青春を送ったAMWEの原曲に対するリスペクトが込められている。その一方で、ますますポップさを増しているのがオリジナル曲。例えば“BE STUPID”は本作のアンセムにもなり得る雰囲気を持った強力なダンス・ナンバーだ。

「タイトルは海外のクラブで熱狂して泥酔しているオーディエンスを見て思いついたフレーズなんですけど、とにかく開放的でノレる曲を作ろうと思ったんです。〈ハンズアップ!〉って感じで(笑)。この曲とか“GIRLS NIGHT OUT”のポップ度の幅は私にとって挑戦でしたね。〈キャッチーとは?〉を禅問答みたいに繰り返しながら作っていきました」。

日本語の歌詞を採り入れた“GIRLS NIGHT OUT”や珍しくメロウな“MOONLIGHT”など、ヴァラエティーに富んだ本作はAMWEの多彩な魅力を伝えてくれる。そしてどの曲を聴いても感じられるのは、彼女がソングライティングを大切にしていることだ。

「例え弾き語りになっても印象に残る曲であること、それがポップスとして成立するということだと思うんです。今回は歌い方をいろいろと工夫したり、初めて挑戦したことも多くて大変だったんですけど、自分のいろんな面を出せたんじゃないかと思います」。

AMWEにとっては新境地となった『GIRLS』。タイトルになった〈GIRLS(女の子たち)〉に向けて、最後に彼女からメッセージを送ってもらった。

「みんないろんなことがあるかもしれないけれど人生を楽しもう! 私たちは女の子。儚くて脆くて弱い。でも本当はとてもしなやかで強いのよ! たくさん音楽を聴いて盛り上がろう! 朝まで騒ごう!!」。

 

▼関連盤を紹介。

左から、AMWEの2009年作『I AM AMWE』(Third Ear)、ブラーの94年作『Parklife』(Food)、ディー・ライトのベスト盤『The Very Best Of Deee-Lite』(Rhino)、マイ・ブラディ・ヴァレンタインの91年作『Loveless』(Creation)

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2010年10月21日 22:02

更新: 2010年10月21日 22:05

ソース: bounce 325号 (2010年9月25日発行)

インタヴュー・文/村尾泰郎