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インタビュー

INTERVIEW(4)――ハードルは上げていかないと

 

ハードルは上げていかないと

 

――それも藍坊主の音楽の個性ですよね。そして今回のシングルには野音のライヴ〈aobozu TOUR 2010 こぼれるシルバー 日比谷野外音楽堂/2010.7.4〉のときの音源が3曲収録されていて。

田中「はい。ライヴDVDも出るんですけど、せっかく良い音で録ったから、音楽だけでも聴いてほしいな、と」

――今年のツアーの手応えはどうでした?

田中「本数は少なかったんですけど、1本1本、濃いライヴができたんじゃないかな」

藤森「ツアーのなかで、『ミズカネ』の曲の良さが増したんですよね。お客さんとのコミュニケーションもすごく自然だったし」

渡辺「前はライヴ後半になると、〈今日も無事に終われるな〉って思ったりしてたんですけど……」

hozzy「バイトか、おまえは(笑)」

渡辺「(笑)でも、今回は〈ちゃんと終われた〉っていう感じがあるんですよ。本編の最後は“いわし雲”だったんですけど、それが〈蛍の光〉みたいだったというか、終わりたくないという気持ちもありつつ、しっかり終われる感覚があって。それはたぶん、お客さんも同じだったんじゃないかなって」

――いいライヴにはそういう空気がありますよね、確かに。

渡辺「あと、演奏に関して〈こうしてやろう〉ってあまり考えなかったんです。ただ、その通りに演奏すれば、きっと通じるはずだっていう。実際、その通りになったと思うんですよね」

田中「うん。前は〈この曲で煽って……〉みたいなことを意識してたけど、今回のツアーはそこまで考えてなくて。曲を信じて演奏すれば、そこから生まれるグルーヴによって自然と雰囲気ができていくっていう。曲を介する自然なやり取りができたと思いますね」

藤森「楽曲の質が上がってくれば、自然といいライヴになるはずなんですよね。いい曲があったら、もっと上手く弾ける感じになるというか(笑)、〈(上手く)弾きたい〉って思いますからね」

――なるほど。それにしても、今回のシングルがひとつの基準としたらすごいことですけどね。次はこのクォリティー、この濃さを超えていかなくちゃいけないんだから。

田中「ハードルは上げていかないと(笑)」

藤森「いい感じでやれると思います、この次も。そこは楽観的」

――良い作品を作り続けられる予感がある、と。

藤森「ないです(笑)。そこは開き直ってる感じですかね」

――バンドと音楽に対する意識が上がってるんでしょうね。同じ感じでやっててもしょうがないっていう。

藤森「そうですね。同じことを続けていても、いままでと同じだけの楽しさは味わえないと思うので」

hozzy「そうだと思います……ホントにそうだと思いますね。って、2回言いましたけど」

田中「(笑)でも、そうだよね」

hozzy「いままでやってこなかったこととかも、いろいろやってみたいと思ってるし。前と同じじゃいけないっていう思いはありますね」

 

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カテゴリ : .com FLASH!

掲載: 2010年11月10日 17:59

更新: 2010年11月10日 19:19

インタヴュー・文/森 朋之