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インタビュー

DAISHI DANCE 『DAISHI DANCE remix...2』

 

繊細さと大胆さがダンサブルに同居した、全曲エクスクルーシヴのリミックス集が登場。フロアはまたも新鮮な驚きに包まれる!!

 

 

DJのメンタリティーとして、いかに他者と異なるセット/楽曲をフロアに提供できるか、そこに懸ける思いは大きい。しかし、ここ数年で市場は変化し、より多くの楽曲を手にすることが可能となって、そうした構造は希薄になりつつある。そんななか、DJとしてクラブにおける優位性を意識し、クラブに訪れたお客さんのため、常に新鮮味を与えるために、リミックスを作り続けているのがDAISHI DANCEだ。

「リミックスは、自分のDJのために作っていると言っても過言ではないですね。フロアを盛り上げる目的が最優先の楽曲制作。僕はDJとしてフロアにサプライズを与えたい。だから自分の楽曲もDJ用にリミックスし直して常に更新しているんです」。

初のミックスCD『MYDJBOOTH.』、→Pia-no-jaC←とのコラボ作品『PIANO project.』に続くDAISHI DANCEの最新作は、そんな彼のDJとしての〈本性〉が詰まったリミックス・アルバム『DAISHI DANCE remix...2』。リミックス集となると、たいていはボーナス・トラック的に収録されていた楽曲をまとめたものという感もあるが、本作は全曲がエクスクルーシヴ。前述の通り、彼がクラブで披露してきた、市場には出ていないヴァージョンの改造曲ばかりを収録している。2枚組となる今作、Disc-1には彼がヘヴィー・プレイしてきたニック・シャガール“This Moment”をはじめ、BWO“Sunshine In The Rain”、吉田兄弟“思い出の風”など、純粋なリミックスを。一方、Disc-2には、BIGBANGの“HaruHaru”やMay J.“Garden -English Ver-”など、彼がプロデュースした楽曲の別エディットやカヴァーが中心に収録されている。

「リミックスを行う際は、あくまで原曲を好きな人が楽しんでもらえるものを前提に、その曲の新たな魅力を出せるように心掛けています。オリジナルより盛り上がる作品にしたり、感動的でドラマティックな方向に持っていったり。今回の作品も、DAISHI DANCEらしいメロディーを重視した作品もあれば、“This Moment”や→Pia-no-jaC←の“Typhoon”のようなエッジの立ったものもあったり。リミックスは自身のオリジナル以上に自由度が高く、ヴァラエティーに富んだ作品が多いと思います」。

オリジナル作品やミックスCDとはまた異なる魅力を放つ本作。そこにはクリエイター、そしてDJとしての感覚——いわば彼の繊細さと大胆さが混在した、DAISHI DANCEの新たな魅力が表現されている。

 

▼DAISHI DANCEの近作を紹介。

左から、2009年作『Spectacle.』、2010年のミックスCD『MYDJBOOTH.』、→Pia-no-jaC←とのコラボ作『PIANO project.』(すべてURBAN SOUND PROJECT.)

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2010年11月22日 13:28

更新: 2010年11月22日 13:28

ソース: bounce 326号 (2010年10月25日発行)

インタヴュー・文/杉山忠之