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インタビュー

カゲロウ 『KAGERO II』

 

カゲロウ

 

サックス、ピアノ、ベース、ドラムスの4ピースで、攻撃的なパンク・スピリット溢れるインストを奏でる肉食系バンド――ジャズとパンクの間で激しく揺れ動きながら急速に成長を遂げているカゲロウが、1年ぶりのオリジナル・アルバム『KAGERO II』をリリースする。より破壊力を増した獰猛なサウンドをベースに、前作以上にムーディーな楽曲や美しいメロディーも多く散りばめ、さらにスケールアップを果たした新作について、白水悠(ベース)とRuppa(サックス)に話を訊いた。

 

 

カヴァー集を通過して変化が生まれた

 

――これで今年はアルバムを2枚出したことになりますね。9月にリリースした映画音楽のカヴァー集『SCREEN』も含めて。

白水「『SCREEN』は19曲を一気にアレンジしたし、『KAGERO II』も半分以上新曲なんで、1年間でこんなに制作したのは人生で初めてでしたね。それがやれたのはすごい自信になったけど、できるとわかったうえでの今後のスケジュールの入れられ方が怖い(笑)」

――『KAGERO II』の話をする前に『SCREEN』について軽く触れておきたいんですけど、これ、もともとはどういう企画だったんですか。

白水「元々は『KAGERO II』をこの時期に出すことが今年の初頭に決まっていて、それに向けて曲を作ってたんですけど」

Ruppa「カゲロウを聴いたことのない人に届くものを作りたいね、ということで、カヴァーをやろうということになって」

白水「じゃあ何のカヴァーをやろうか? という話をしている時に、映画音楽のカヴァーという案に全員がしっくりきたから、じゃあやろう、いつ出そう、録るのはいつだ、という話になって、急遽『KAGERO II』の制作を中断して『SCREEN』に移行して。でもそれを通過したことで、それまで作ってきた曲にも変化が生まれて、『KAGERO II』がやっと完成したという感じです」

――つまり『SCREEN』の役割は入門編というか、バンドの間口を広げるためのものだったと。

白水「そうですね。こんなこともできるぜ、ということで。これだけいっぱい曲があるから、ワルノリして、3秒で終わる曲とかもあったりとか、4人で1台のグランドピアノを弾いたりとか、そういう遊びもできたし、決めるところはバチッと決めて。張り詰めてるだけじゃないところは、逆にカヴァーだから見せられたんじゃないですかね。オリジナル・アルバムには緊張感があるけど、『SCREEN』はやってても楽しかったし、気楽に聴けるかもしれない」

Ruppa「ヴァラエティーに異常に富んでいるので、パーティー・グッズみたいな感じで楽しんでいただければ。ここからカゲロウに入ってくれてもおもしろいだろうし、逆にオリジナル・アルバムを先に聴いた人は〈普段、こういう遊び方をしてるんだな〉と思うだろうし。こういう感じで遊んでみようよ、というライヴ感の強い作品なので」

白水「オリジナルは1曲にいくつもアイデアを入れるけど、『SCREEN』は1曲に対して1アイデアで押し切ったなっていう感じ」

Ruppa「曲はもう有名な先生方が書いてくれているので、それといっしょに遊んでみようという気楽さもありつつ。カヴァーは楽しいぜ、みんなも遊んでみたらいいんじゃない?っていう感じ」

白水「今度のツアーでも、『SCREEN』から1~2曲やることもあるだろうし。オリジナルをダーッとやって、『SCREEN』の曲をポンと入れると、ライヴ自体の繋がりが良くなったりもするので」

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掲載: 2010年12月08日 18:00

インタヴュー・文/宮本英夫