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インタビュー

INTERVIEW(3)――1曲目からシンガロングできる曲

 

1曲目からシンガロングできる曲

 

――改めて、言葉について訊きます。光村くんがこの曲で、いちばん伝えたかったことは?

光村「そもそもライヴの1曲目にやる曲を作りたかった、という話をさっきしましたけど、1曲目からシンガロングできる曲をめざしたんですよね。去年観た、ロンドンのO2アリーナでやったキングス・オブ・レオンのライヴDVDがすごく頭に残っていて、特にグラミー賞を取った“Use Somebody”が好きで、すごいシンプルな曲なんですけど、それぞれがそれぞれの思いを歌に乗せながらスタジアム全体が大合唱しているのがカッコよくて。いままでの自分たちの曲は、自分たちから提供するものという感覚で作っていたところがあって、個人的な僕の思いを言葉にして吐き出していたんですけど、今回はそれよりも、聴いてくれる人たちそれぞれの心の叫びを乗せられる歌を作って、ライヴの1曲目にバン!とやれたら最高だなと。だとしたら、心の底のほうにある気持ちを思う存分吐き出してもらえるような、そういうサビを作りたいなということを、キングス・オブ・レオンのライヴを観た時から思っていて。そういう気持ちをひとことで言うんだったら、聴いてくれるリスナーの心の奥深くに僕らが飛び込んでいくという思いが沸々と出てきたんですよね、歌詞を書く時に。それで“Diver”というタイトルがまず出てきたんですけど」

――DIVE=飛び込む、ということですね。

光村「歌詞だけ見るとすごく鬱屈した歌詞のように見えるんですけど、それを実際に歌にして声にすることで初めて共有できる曲なんじゃないかなと思うんですね、僕らとリスナーとが。この“Diver”の歌詞の至るところで、人と繋がっていたいという気持ちを、随所に散りばめたつもりでいるんですよ。だから本当に、痛々しいぐらいリアルな曲だと思ってます。普段吐き出せない気持ちを、音楽のなかで吐き出してもらいたかったので。たぶんこの歌詞に書いてることを普通の会話のなかで人に言っても、たいしてスッキリしないと思うんですけど、音楽のなかで吐き出せるからこそすごくスッキリできる、そういう気がします。ひとつも強がっていないというところで、等身大な歌詞ですね。そういうことを書くのは照れ臭いし、ステージのうえに立つ人格としては、仁王立ちしていたいというか、もろい自分はあまり見せたくないんですけど……人と繋がるという点では、もろい部分を共有したり、飲みこんだまま吐き出せなくなってしまったあれやこれやを共有するのは大事なことだと思うし。人とより深いところで繋がっていたいという欲求は、音楽をやるにつれてどんどん膨らんでいった部分なので、この曲でやっとその領域に行くことができたのかなって、自分では思ってるんですけどね」

 

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掲載: 2011年01月05日 17:59

インタヴュー・文/宮本英夫