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インタビュー

Heavenstamp 『Stand by you-E.P.+REMIXES』

  

 「本当にその場に、その人たちが集まらないと出来ないスペシャルなものが出来たと思います」(Tomoya.S)


 


 Bloc PartyのラッセルがMyspaceをチェックし、
リミックスを買って出たことでも話題のHeavenstampが、
いよいよメジャー・デビューを果たす。

 

 記念すべきそのデビュー盤はラッセルと彼の相棒ジェイミー・エリスが
共同プロデューサーとしてその名を連ねている。
UK新世代ロックの代表バンドから寵愛を受ける彼らのサウンドは、
ニュー・レイヴを始めとするグルーヴィーなダンス・ミュージックの要素に
ダイナミックでエモーショナルなシューゲイザー・サウンドと、日本的なポップ感覚を
取り込んだ個性的なものになっている。

 

Tomoya.S(Gt.)「08年のFUJI ROCKで、My Bloody Valentineのライヴを観て衝撃を受けて、
自分の想像する最高のバンドを組みたいと思ったんです。ラッセルは音源を渡したら、一緒にやろうと
言ってくれて。
本当にその場に、その人たちが集まらないと出来ないスペシャルなものが出来たと思います」
 

 繊細でありながら、ドラマティックで感動的なサウンド。
楽曲制作は、メロディやビートからと言う通常の方法とは異なり、野外の大ステージに立つ自分や観客を想像しながら、
導入部から制作される。リリックやアレンジはそうして生まれた楽曲に導かれるように紡ぎだされることも多いのだそう。

 

 圧倒的な存在感のあるSally#Cinnamonによるリリックは底辺にどうすることも出来ない諦念観が流れていながらも、
どこかで人との繋がりを持とうともがいている姿が印象的だ。
その危うげで不器用な表現は何者にもコミットしようとしない無表情な現代の若者と言うよりも、
彼らが敬愛するMy Bloody Valentineらが活躍した90年代のロスト・チャイルド・ジェネレーションの
それに近いように思う。

 

 いわゆるポップスの持つ軽さとも異なる、感じ易い感性が見出す、所在のなさ。
それゆえ生じる諦念観と、諦めを諦め抜いた先にある儚い希望と情熱。
彼らの音楽に対する偉大なる愛がJ-POPに於いてどこまで伝播するか、今後の活躍が楽しみだ。

 

■NEW SINGLE……『 Stand by you-E.P.+REMIXES 』 5/11 on sale!

 SONG LIST
 01.Stand by you
02.Pops 
03.Cambrian.
04.Stamp your feet 
05.Stand by you - 80KIDZ remix
06.Pops - Bloc Party vs CoPilots Drunk In Charge remix
07.Stamp your feet - Pepe California remix

 

■ PROFILE… Heavenstamp(ヘブンスタンプ)

09年に、それぞれ別のバンドで活動していた4人で結成。
ディスコ、パンク、シューゲイザー・サウンドを日本的<ポップ感覚>で消化し、
轟音ギターの美しいアンサンブルを響かせる。初期衝動を体現するアーティスト。

 

 

   
記事内容:TOWER 2011/5/05号より掲載

カテゴリ : HOT PICKS

掲載: 2011年05月09日 18:00

更新: 2011年05月10日 09:42

ソース: 2011/05/05

井上由紀子