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インタビュー

逆さ十字を引っ提げたラディカルな2人組、メロウハイプ

 

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MCのホッジー・ビーツとプロデューサーのレフト・ブレインからなるデュオ、それがメロウハイプである。ほぼすべてタイラー・ザ・クリエイター自身のセルフ・プロデュース曲で構成されていた『Goblin』に、唯一参加していたトラックメイカーがこのレフト・ブレインだ。たった2人で作り出す濃密な世界は極めて精緻で、昨年フリー配信したアルバム『BlackenedWhite』がこのたびファット・ポッサムからCDとして再リリース(一部のトラックは足し引きされている)されることになったのも、彼らに対する注目度の高さを表しているといえる。そもそもアルバム・タイトルを〈Black & White〉ではなく〈Blackened White〉(黒人化された白人)と冠するあたりからも、彼らのひねくれた精神を汲み取ることができよう。

同作からのリード・シングルにもなった“64”(白目を剥いてヘビに巻かれるPVも圧巻!)ではマリリン・マンソンよろしくアンチ・キリストを掲げ、ホッジー・ビーツは〈アメリカに失望している。あと5年以内には国を出たい〉とも語るほどラディカル。が、このラディカルさもまた、若さを裏返したフレッシュさだと受け取れるだろう。アルバム内でタイラーが唯一参加した“Fuck The Police”では警察という体制を相手に、スリリングでシニカルな誘拐劇を繰り広げていたりもする。なお、メロウハイプとしては今年中に『Numbers』と題されたニュー・アルバムの発表も予定されており、より破壊的な作品になるとのこと。壊しまくってこのまま突き抜けてください。

 

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2011年07月27日 17:59

ソース: bounce 334号 (2011年7月25日発行)

文/渡辺志保