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インタビュー

DadaD 『Touch Touch Touch』

 

DadaD_特集カバー

 

[ interview ]

台湾と日本のハーフで3か国語を操るヴォーカル=Kateと、作曲から演奏、レコーディングまでを一人で手掛けるマルチな才能の持ち主、Shige。二人の強烈な個性が出会って生まれたユニット、DadaD(ダーダーダー)がセカンド・アルバム『Touch Touch Touch』をリリースした。ユニクロのCMで使用された“Sing With Me”をはじめ、Kateのナチュラルな歌声と、日用品を楽器替わりに使ったShigeのトラックがふわりと溶け合うナンバーは、ポップさのなかに独特のアート・センスを漂わせている。その不思議な〈DadaDサウンド〉の秘密について、早速話を訊いてみた。

 

いろいろ試してみよう

 

——二人はどんなふうに知り合ったんですか?

Shige(サウンド)「ライヴハウスで会いました。僕が別のバンドをやっていて、たまたま観にきていたKateが声をかけてくれたんです」

Kate(ヴォーカル)「彼のパフォーマンスがすごい奇抜でおもしろかったんですよ。日本語か英語かわからない歌詞を歌いながら、ベースを弾いて動き回ってて。私はその時は一人で歌ってたんですけど、彼に曲を作ってもらったら楽しいかもと思って。そんな軽いノリだったんですけどね」

Shige「それで1回いっしょにやってみたら良い感じだったんで、俺の友達を誘ってバンドっぽい感じで始めたらそれがうまくいかなかった。Kateの性格がキツくて(笑)」

Kate「ひどい(笑)。なんか私、意地悪な人みたいじゃない」

Shige「バンドに向いてないのは確かでしたね」

Kate「そんなことないです! みんな仲良かったんですけど、ギタリストやドラマーが〈俺のプレイを聴け〉みたいな感じで前に出てくるのが私は好きじゃなかったんですよ。メンバーそれぞれが同じくらいエネルギーを出している感じにしたくて」

Shige「まあ、俺がプレイヤー志向の強いヤツばかり呼んだのが失敗だったんですよね。それでKateと二人だけのほうが気楽にできるかと思って。二人でやるようになってからは、Kateの歌を最優先にして、彼女が気持ち良く歌えることを考えてアレンジするようにしたんです」

Kate「〈音楽の形を決めないで、いろいろ試してみよう〉ってShigeが提案してきて。でも、Shigeはベーシストだし、どんな音楽になるのか最初は全然想像できなかったですけど、彼が作る曲はすごく信頼していたんで、じゃあ、二人でやってみようかと」

 

無理をしない

 

——ファースト・アルバム『Welcome to sha la la la la』がバンド時代で、新作『Touch Touch Touch』はデュオになって初めての作品ですね。レコーディングのやり方も変わりました?

Shige「そうですね。基本的に俺の家でレコーディングして、歌入れはKateの家に行ったりしました」

——いわゆる宅録ってやつですね。

Shige「そうです。リラックスした雰囲気でやりたかったのと、後は単純にお金がなかった(笑)」

Kate「無理をしないっていうのは、常に2人のコンセプトだったので。今回はそういうやり方がいちばん自然な環境だったし、楽しくできるやり方だったんです。二人ともパジャマ着てやってましたから」

Shige「そう、ほとんど全裸で(笑)」

——でも、二人だけだったら、息が詰まったり気まずくなったりしませんでした?

Shige「それは全然なかったです。お互いまったく気を使わないから。どっちも思ってることをはっきり言うタイプなんですよ。だから、遠慮がないぶん信頼関係はある。〈あのとき言えなかったけど、実はこう思ってた〉みたいなのが、二人ともダメなんです」

——レコーディング前にアルバムの方向性とか二人で話し合ったりしました?

Shige「特にはしませんでしたね。だけど、部屋で録れるものとなるとアコギは使おうかな、とか。それくらいしか考えてなかった」

Kate「でも、〈アルバムを作ろう〉って言った時点で、私のなかでは何となくジャケットのイメージとか雰囲気みたいなものはありました」

Shige「この人はヴィジュアル・イメージとかアートワークを最初に考えて、勝手に盛り上がるんですよ。〈こういう色合いで、こういう服を着たらいいよね〉みたいな」

Kate「そう、そういうイメージをShigeに伝えて、〈そういう雰囲気な曲にしといてね〉みたいに頼んだりしますね」

 

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掲載: 2011年09月07日 18:00

インタヴュー・文/村尾泰郎