インタビュー

SPECIAL OTHERS 『SPECIAL OTHERS』

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2011年スペアザ・コラボ・イヤー総決算! SPECIAL OTHERSにとって
かねてより親交の深いアーティスト達を招いて制作されたコラボ作品集『SPECIAL OTHERS』は
まさにタイトル通り<SPECIAL OTHERS=特別な他人>が集結した作品に。

「フェスが浸透してきた今の時代だからこそ生まれたコラボ・アルバムだと思います」(柳下武史)

2011年、SPECIAL OTHERSは<コラボ・イヤー>と銘打ち、
数多くのミュージシャンとのコラボレーションに時間を費やした。
95年に横浜の高校に通う仲間たちによって結成して以来、コラボすることは
初のチャレンジだった。


宮原良太(Dr.)「06年にメジャー・デビューして5年。
SPECIAL OTHERSとして、それ以前のインディー時代も含め4人で
数多くの曲を残してきたじゃないですか。違う動きをしてみたい。
スパイスを自分たちに、自分たちの音楽に取り入れたい。
そして音楽をより楽しみたい。そんなことをふと思ったんですよ」


芹澤優真(Key.)「なんか<今>だと思ったんですよね。
ちょっと前までは、「SPECIAL OTHERSって何者なの?」っていう人たちが
多かったと思うんです。
いろんなフェスに出て、ライヴを続けて、少しずつだけど僕たちの音楽が
広がってきた。だからこそ、コラボをやるなら<今>だと。
僕らの音楽が認知されてきたことによって、シンガーがSPECIAL OTHERSとセッションしたのではなく、
インスト・バンドであるSPECIAL OTHERSがシンガーとコラボしたんだと言ってもらえる。
そうならないとコラボしても意味がないと思っていました」


柳下武史(Gt.)「曲を提供するのとはまったく違いますね。あくまでシンガーとの共作。
相手に委ねている部分も多いんですよ。メロディーだったり、歌詞だったり、声そのものだったり。
曲を作りはじめた段階では、その曲がどうなるのかわからない。わからないからこその
面白さがありました」


又吉優也(Ba.)「どんな歌詞を書いてくれ、どんなメロディーにしてくれ。
そんな依頼はまったくせず、メロディーと歌詞に関して僕らは基本的にはノータッチ。
それぞれのシンガーが、どう僕らのトラックに反応して返してくれるのか。
返ってきたのが驚く内容のものばかりで。6曲すべてが違うんですよ。
すべてが終わって振り返ると、よくやれたなと思っちゃいますよ」


 
SPECIAL OTHERSとコラボしたのはキヨサク(from MONGOL800)、Kj(from Dragon Ash)、
オオキノブオ (from ACIDMAN)、ホリエアツシ(from STRAIGHTENER)、マレウレウ、
後藤正文(from ASIAN KUNG-FU GENERATION)、サイプレス上野とロベルト吉野。
キヨサクとの“空っぽ”は、“ネルシャツ”というタイトルで過去に作り演奏もしていた曲。
メロディーもSPECIAL OTHERSの4人の手によるものだ。マレウレウとの“イヨマンテ ウポポ”はアイヌの民謡。
“あの国まで”ではオオキノブオとホリエアツシのツイン・ヴォーカルでのコラボレーションを実現させた。
後藤正文は4人のホームタウンとも言える横浜、鶴見を題材に。


宮原「みんなをビックリさせたい。そう思っていたら、ひらめいちゃったんですよね。
コラボといっても相手がひとりじゃなくてもいい。
だったら僕らが好きなふたりにデュエットしてもらってもいいんじゃないかって。
そしてオオキ君とホリエ君にオファーしたら快諾してくれた。一曲ずつ、すべての作り方が違う。
まさに十人十色のコラボ作品集です」


コラボする相手を選択するにあたって、もっとも大切にしたのは<相思相愛>であること。
相手も4人の音楽を認め、4人もリスペクトしていること。ゲストとしてヴォーカルを迎えるのではなく、
SPECIAL OTHERSとシンガーの競作であり共作であること。
だからこそすべての曲にSPECIAL OTHERSのサウンドが刻まれ、
SPECIAL OTHERSのコラボ作品集として成立している。



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 自分たちの音楽を知ってもらい、自分たちも新しい音楽に触れる。
その現場となったのが数々のフェスだったという。メジャー・デビュー前の05年にフジロックに初参戦。
以降、SPECIAL OTHERSは野外フェスを象徴するバンドとして成長してきた。

又吉「都内のライヴは楽屋も別々のことが多いし、なかなかコミュニケーションを取る場所ってないんですよ。
けれどフェスであれば、ケータリングとかみんなが一緒になれる場所がある。
ミュージシャンもリラックスしているってこともあって、コミュニケーションを取りやすい雰囲気なんです」


芹澤「自分の知らない音楽も集まるフェスという空間。そこでは自分の知らない音楽を体感することができる。

音楽だけではなく、ミュージシャンをはじめ、いろんな人間とも出逢うことが可能な場所。
横浜の後輩とも言えるサイプレス上野とロベルト吉野以外は、フェスでの出逢いがきっかけです」


最後に柳下がこう言った。「フェスが浸透してきた今の時代だからこそ生まれたコラボ・アルバムだと思います」。


 同じヴィジョンの元で、みんなが集まることによって再構築される場所がフェスなのだとすれば、
仲間が集うことによって生まれたこのコラボ作品集『SPECIAL OTHERS』は、SPECIAL OTHERSによる
フェスの具現化に違いない。



■New Album……『SPECIAL OTHERS』 11/30 on sale!

■ SONG LIST…

01.Sailin'/SPECIAL OTHERS& Kj (from Dragon Ash)

02.あの国まで/SPECIAL OTHERS & オオキノブオ (from ACIDMAN)、ホリエアツシ(from STRAIGHTENER)

03.空っぽ /SPECIAL OTHERS & キヨサク(from MONGOL800)

04.イヨマンテ ウポポ /SPECIAL OTHERS & マレウレウ

05.DANCE IN TSURUMI / SPECIAL OTHERS & 後藤正文 (from ASIAN KUNG-FU GENERATION)

06.DOOR /SPECIAL OTHERS & サイプレス上野とロベルト吉野



 

■ LIVE… G.M.C 2011(Global Music Center 2011)

2/9(金)ZEPP NAGOYA  
SPECIAL GUEST:ACIDMAN

12/11(日)ZEPP OSAKA  
SPECIAL GUEST:MONGOL 800

12/13(火)ZEPP TOKYO  
SPECIAL GUEST:STRAIGHTENER



■ PROFILE…SPECIAL OTHERS (スペシャル・アザーズ)

95年、同級生だったメンバーにて結成。06年6月にミニ・アルバム『IDOL』にてメジャー・デビュー。
「FUJI ROCK FESTIVAL」など各地フェスでのパフォーマンスが好評を博し以後、ロッキンジャパンや
サマソニ、ライジング等、数々のフェスへ出演し更に活動の場を拡げる。
今年を<コラボ・イヤー>と銘打って、様々なコラボレーション作品をリリース。

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記事内容:TOWER 2011/11/20号より掲載

カテゴリ : COVER ARTIST

掲載: 2011年11月20日 12:00

ソース: 2011/11/20

TEXT:菊地 崇(Lj)