インタビュー

ケツメイシ 『ケツの嵐』&「ケツの極 ~MV集~」

ketume-midashi

ケツメイシがキャリア初となるベスト・アルバム『ケツの嵐』をリリースする。
しかも、『春BEST』、『夏BEST』、『秋BEST』、『冬BEST』の4枚同時リリース!
さらに『ケツの極 ~MV集~』も同時発売というのだから、質&量ともに
圧巻のケツメイシ祭りなのであるが、当の本人たちはなにを思うのか。
メンバー4人全員集合インタビューをどうぞ。

「名曲に条件みたいなものがあるとすれば、
僕にとってのそれは<口ずさめるか否か>なんです」(RYOJI)

先日オープンしたばかりの東京、代々木ビレッジの庭園には、
「皇帝ひまわり」といったパンチの効いた名を持つ植物のなかにあって、
ひときわ目を引く草木があった。ケツメイシ。薬草。別名アンデスの乙女。
原産国はともかく、ここ日本でその薬草が目にとまった理由は、
音楽のジャンルでスーパー・グループがいるからに他ならない。
ケツメイシ。ミュージシャン。

93年、グループの母体が結成され、96年頃、現在のメンバーでの活動を開始。
<頃>っていうのもユルくて彼ららしいが、4枚同時リリースとなる
今回のベスト・アルバムでは、すべての収録曲をメンバーが選出し、
各季節ごとの担当制で曲順を決めたという。


RYO(MC)「僕の担当は『冬BEST』だったんですけど、とくに思い出深いのは
“こっちおいで”ですかね。
インディーズ時代の初めてのシングル曲なんですけど、プレスしたのが
わずか440枚で(笑)。その後、インディーズで2枚のシングルを
出すんですけど、プレス枚数が2,000、7,000と増えていったんですよ。
そんなタイミングで、僕以外のメンバーから「メジャーで勝負しよう!
なんでRYOさんは会社辞めないんですか!?」とえらい勢いで詰められまして。
当時の僕は、サラリーマンで子どもが産まれたばっかで、
この人たちはバカじゃないのかと。音楽で食っていけるわけねぇだろと思っていました」

 
RYOの不安は杞憂に終わる。それどころか、05年の“さくら”ではオリコンランキング1位を記録。
その人気を不動のものとする。


DJ KOHNO(DJ)「『春BEST』の曲順担当としては、“幸せをありがとう”が強烈に印象に残っています。
当時、『ケツノポリス3』のアルバム合宿をやってて、「この曲は後回しね」なんてみんなが言うから、
他の曲から作っていったんですよ。で、“幸せをありがとう”のセッションの番になったら、
もう曲が完成していて。俺に内緒でいつの間に作っていたんだろうと思ったら
「お前の結婚式で歌うつもりだったんだよ。ただ、大蔵の歌詞が間に合わなくて式では
歌えなかったんだ」と。嬉しくてビックリするやら、大蔵に「そこは間に合わせてくれよ!」と
思うやらで(笑)」


<間に合わなかった男>大蔵は、ケツメイシのリーダーだったりする。
ふだんは後輩キャラで知られる彼にも、強烈なリーダー・シップを発揮せざるを得ない瞬間があった。


大蔵(MC)「2011年のツアーでやったコントは、プレッシャーでした。
コントをやるというのが初めての経験な上に、最初の公演が笑いの本場である大阪だったんですよ。
ネタをアンタッチャブルの柴田さんが書いてくれて演出も面倒みてくれたんですね。で、
ほかのメンバーは全員ボケなんですけど、僕がツッコミのポジションを任されて。
最初に柴田さんがツッコミで、みんながボケるっていうお手本を見せてくれたんですけど、
めちゃくちゃおもしろかったんです。ところが、僕がやるとまったくうまくいかない。
ほかのメンバーは解散となっても僕だけ残ってツッコミの練習をしました。
音楽活動では経験したことのない、人生初の居残り練習でした(笑)」




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春夏秋冬、季節は巡る。冬から始まった本インタビューでの最後の季節=『秋BEST』担当は
センチメンタルの達人、RYOJIである。


RYOJI(Vo.)「振り返ると、僕らは『ケツノポリス3』までは我の張り合いがすごくて、
喧嘩もあり、決して仲のいいグループではなかったんです。
素人の延長線で音楽と向き合っていた時期で、そうすることでしかなにかを生み出せなかったから。
……名曲に条件みたいなものがあるとすれば、僕にとってのそれは<口ずさめるか否か>なんです。
その曲が生まれて、何年か後でも当時の思い出が蘇ったりしつつ、口ずさめるかどうか。
もしも、今回のベスト・アルバムに収められたケツメイシの曲を口ずさんでくれる人がいるのなら、
こんなに嬉しいことはないですけど、自分たちとしては次に行く場所があるはずだぞって」


 96年“頃”から数えても15回の四季を繰り返してきたケツメイシ
自然界の花は春に開くとも、秋に実を結ぶとも限らない。
今回のベスト・アルバムは、ひとつの大きな収穫ではあるけれど、
僕らがふとした瞬間に口ずさむであろう次の名曲は、いますぐにでも生まれるのかもしれない。
代々木ビレッジのケツメイシは、真冬だというのに黄色の花を咲かせていた。



■New Album……『ケツの嵐』 12/21 on sale!

『ケツの嵐 ~春 BEST~』
ketume-Haru
『ケツの嵐 ~夏 BEST~』
ketume-Natu 
 ■ SONG LIST…
 01.はじまりの合図
 02.トレイン
 03.1日
 04.新生活
 05.いま会いに行く
 06.門限やぶり
 07.幸せをありがとう
 08.君とつくる未来
 09.さくら
 10.三十路ボンバイエ
 11.トモダチ
 12.仲間
 13.子供たちの未来へ

 ■ SONG LIST…
 01.夏の思い出
 02.また君に会える
 03.男女6人夏物語
 04.お二人Summer
 05.ドライブ
 06.海
 07.よる☆かぜ
 08.リゾラバ
 09.夕日
 10.君にBUMP
 11.祭り
 12.ビールボーイ
 13.カーニバル
 14.太陽

 『ケツの嵐 ~秋 BEST~』
ketume-Aki
 『ケツの嵐 ~冬 BEST~』
ketume-Fuyu
 ■ SONG LIST…
 01.そばにいて
 02旅人
 03.東京
 04.手紙~未来
 05.夢の中
 06.恋の終わりは意外と静かに
 07.涙
 08.街並
 09.バラード
 10.ライフイズビューティフル
 11.こだま
 12.花鳥風月(AlbumMix)


 ■ SONG LIST…
 01.こっちおいで
 02.夜空ノシタ
 03.ファミリア
 04.もっと
 05.聖なる夜に
 06.夜の天使
 07.S/S
 08.闘え! サラリーマン
 09.No Lady No Life
 10.冬物語
 11.出会いのかけら
 12.あなたに会えてよかった
 13.わすれもの




■ New DVD……『ケツの極』 ~MV集 12/21 on sale!

ketume-DVD

■MV LIST
  Disc1
  01.ファミリア
  02.よる☆かぜ
  03.手紙 ~未来
  04.トモダチ
  05.花鳥風月
  06.はじまりの合図
  07.夏の思い出
  08.太陽
  09.涙
  10.君にBUMP
  11.さくら
  12.旅人
  13.男女6人夏物語
  14.トレイン
  15.また君に会える
  16.聖なる夜に
  17.冬物語
  18.出会いのかけら
 Disc2
 19.仲間
 20.お二人Summer
 21.闘え! サラリーマン
 22.バラード
 23.君とつくる未来
 24.こだま
 <特典映像>
 25.We love music
 26.子供たちの未来へ
 27.手紙 ~特別篇~











■ PROFILE…ケツメイシ

93年に結成。96年頃、現メンバーRYO(MC)、RYOJI(Vo.)、大蔵(MC)、DJ KOHNO(DJ)で新たに発足。
01年にシングル「ファミリア」でメジャー・デビュー。05年“さくら”でブレイク。
同年リリースしたアルバム『ケツノポリス4』がダブル・ミリオンを記録する大ヒットに。

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記事内容:TOWER 2011/12/20&1/5合併号より掲載

カテゴリ : COVER ARTIST

掲載: 2011年12月20日 12:00

ソース: 2011/12/20&1/5合併号

TEXT:唐澤和也