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インタビュー

miwa 『guitarium』



ソングライター/パフォーマーとしての可能性をさらに拡げながら、のびのびとその魅力を更新してみせたセカンド・アルバムが完成!



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ファースト・アルバム『guitarissimo』から1年ぶり。明るく瑞々しいラヴソング“441”、ガーリーなロックンロール“FRiDAY-MA-MAGiC”、トレードマークのギターを下ろし「想いに浸って歌に集中しました。すごく大切にしたかった曲なので、歌詞も一切ヒネらず」というバラード・ナンバー“片想い”──3枚の豊潤なシングルを経て、miwaのニュー・アルバム『guitarium』が届けられた。

「意気込みとしては〈guitaris simo 2〉を作ろう!っていう感じでした。『guitarissimo』は、アッパーなものからバラードまでいろんな面を切り取って聴かせたい!……って作ったアルバムだったんですけど、今回は『guitarissimo』にも収まりきれなかったものまで、さらにやりたいことをやろう!っていう感じで。タイトルは〈アクアリウム〉に掛けたものですけど、いろんな魚が泳いでいる〈水族館〉のようなアルバムになったかなぁって思います」。

『guitarissimo』発表以降、初の全国ツアーにはじまって、夏フェス、学園祭、弾き語りツアー〈acoguissimo〉と、精力的にライヴ活動を展開した彼女。『guitarium』には、もちろんその経験も映し出されていたり……。

「エレキの曲をもっと作りたいなあ……って、『guitarissimo』を作り終えたあとから思ってたんですけど、夏フェスの合間に作った曲はやはりアッパーな曲が多くなりましたね。このぶんだと、アルバムはかなりアッパーで明るい曲が多くなるんじゃないかな?って。でも、冬に弾き語りツアーをやって、それでアコギの曲も作ろうっていう……“片想い”などは冬に出来た曲ですね」。

と、ニッポンの豊かな四季にもさりげなく気持ちを躍らされながら、色とりどりの楽曲を並べてみせた『guitarium』。「ライヴのメンバーと〈せーのっ!〉で録った曲。いっしょにツアーを回って、息もピッタリ合ってきたので、こういう形でレコーディングしてみたかった」と語る“Jexxxa”(読み:ジェシカ)など、まさに〈この一年〉が成果をもたらした楽曲もあれば、スカ・ビートを絡めた陽気なオープニング・ナンバー“いくつになっても”や、シンセ・サウンドを導入し、随所でオートチューン・ヴォイスも聴かせる“メリーゴーランド”など、自身の引き出しを新たに開けた楽曲がまた楽しい。

「私も、“いくつになっても”と“メリーゴーランド”はとくに新鮮だなって思います。“メリーゴーランド”は、私のなかで〈電波曲〉って呼んでるんですけど(笑)」。

そしてラスト・ナンバーは、“FRiDAY-MA-MAGiC”のカップリングだった“始まりは終わりじゃない”のニュー・ヴァージョン。流麗なストリングスを纏った新たな装いで、アルバムを力強く締めくくる。

「『guitarissimo』を出して、第2章に向かうにあたっての決意表明を込めた曲なんですけど、聴く人にとっても、すごく前向きになれる曲なんじゃないかなって思います。心のなかで沸々と湧いているというか、表には出さなくても自分自身のなかにハッキリとある意志を込めた曲になっているので、わかりやすくガッツを見せてる曲ではないけれど、いろんな状況で支えてくれる曲なんじゃないかなって思いますね」。

素直でまっすぐな気持ち、エンジョイしている日常風景を鮮やかな色彩で描き込んでいく彼女の歌は、直接的に聴き手を鼓舞させる言葉を投げかけなくとも、聴き手を元気にさせるマジックがある。『guitarium』は、そんなチャームが、よりパノラミックに広がったアルバムだ。



▼2011年に行われた初の全国ツアー最終日の模様を収めたDVD/Blu-ray『miwa live tour 2011“guitarissimo”』(ソニー)

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2012年03月14日 00:00

更新: 2012年03月14日 00:00

ソース: bounce 341号(2012年2月25日発行号)

インタヴュー・文/久保田泰平

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