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インタビュー

家入レオ 『LEO』



家入レオ_A



いよいよ本領発揮! 今年のJ-Popシーンにおいて台風の目となっている17歳の女子高生シンガー・ソングライター、家入レオが初のアルバム『LEO』を発表した。スマッシュ・ヒットを記録したシングル“サブリナ”“Shine”“Bless You”をはじめ、彼女の歌の力を刻み込んだ全13曲。思春期の葛藤やもどかしさから愛おしい女性らしさまで、さまざまな感情を包み隠さずさらけ出した、等身大の一枚になっている。

「出来上がった時は、感謝の気持ちでいっぱいでした。それまでは〈なんで自分ばっかりこんな思いをしなくちゃいけないんだろう〉って思うことが多かったけど、でも、そういう経験があったからこそ、この曲たちが書けたんだろうなって思います。それに、シングルではどちらかというと強い印象の私だったけれど、実は明るいピュアな私もいて、そういう両方の私を見せられた一枚なんじゃないかなと思います」。

デビューから半年、TVや夏フェスへの出演など数々の大舞台を踏んできた彼女。初回限定盤のDVDに収録された特典映像には〈SETSTOCK'12〉でのライヴや舞台裏の模様、さらにはデビュー前からの活動を記録したドキュメンタリーを収録。ひとつひとつのステージに直球勝負でぶつかってきたその姿を追うことができる。

「自分に負けちゃいけないなっていう気持ちが強いんです。もちろん不安もプレッシャーもあったけれど、大きいステージに立たせてもらう以上は真っ直ぐなものを届けなきゃいけない。本番前って、ほんとにすごいんですよ、私。感電しちゃうぐらいビリビリしてる。ステージ脇で体育座りして精神統一して、気持ちを高めながらステージに出ていくんです」。

そういう気迫や強い闘志のようなものが、彼女の歌が持つ最大の魅力だ。“サブリナ”や“Last Stage”などには、「自分には音楽しかない」と語る彼女の強いエネルギーが、シリアスでヘヴィーな曲調に投影されている。

「13歳の時に曲作りを始めて、音楽でしか本当のことを言えなかった時期っていうのが長かったんです。学校でも明るい自分じゃないといけないと思っていたし、家でも上手くいってなくて。だから音楽のなかでは真実を書こうと思っていた。痛いとか、叫びたいとか、そういう気持ちがありました。ただ、真実を求める気持ちとか、居場所を求める気持ちって、学校のことだけだと思っていたんです。でも、“サブリナ”をリリースさせてもらった後に、上の世代の方からもたくさんの反響をいただいて。それは予想外のことでした」。

一方で、“明日また晴れますように”や“ミスター”など、明るく大らかな曲調のナンバーが収録されているのも、アルバムだからこその大きな特徴だろう。

「無理して明るい曲を作ったわけじゃなくて。元の私がそうなんです。さっきまでケラケラ笑ってたのにいきなり泣き出したりとか、すごく感情の落差が激しいんです。その両方が私だし、どちらも認めてあげることが私の音楽なんだろうなと思うから。そこは偏らずに選んだつもりではありますね。音楽って痛くて辛いことだけを叫ぶものじゃないって思って。きっと幸せな家入レオも叫んでいいはずだ、って思ったんです」。

17歳の彼女が感じたさまざまな思いを詰め込んだ、私小説的なアルバム『LEO』。それはきっと、世代や性別を超えて多くのリスナーに共感の輪を広げていくはずだ。

「『LEO』というタイトルは、例えばミサちゃんが聴いたら〈ミサ〉っていう一枚になるみたいに、聴いた人のものになる気がしたんです。手に取ってもらった人の名前が付くように、あえて私の名前をタイトルにしたっていう。私の曲をいろんな人が聴いて、その人の曲になることが私にとってはすごく嬉しいし、それが歌い続けていく意味なんじゃないかなと思ってます」。



PROFILE/家入レオ


福岡出身、94年生まれのシンガー・ソングライター。幼少時より音楽や演劇と積極的に触れて過ごすなか、作曲法を学ぼうと13歳で音楽スクールに入校し、2011年には単身で上京。高校生活と並行して制作/ライヴ活動を行い、2012年2月にシングル“サブリナ”でメジャー・デビュー。5月に2枚目のシングル“Shine”を発表する。その後は〈ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2012〉〈SETSTOCK'12〉などの大型フェスを含む数々のイヴェントに出演し、9月にサード・シングル“Bless You”をリリース。3枚のシングルすべてがオリコンのTOP10入りを果たすという好状況を経て、このたびファースト・アルバム『LEO』(ビクター)をリリースしたばかり。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2012年11月20日 15:30

更新: 2012年11月20日 15:30

ソース: bounce 349号(2012年10月25日発行)

インタヴュー・文/柴 那典

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