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インタビュー

INTERVIEW(2)——ラッパーとしての自分



ラッパーとしての自分



――名前といえば、今回の『Mr. "All Bad" Jordan』というタイトルについて教えてください。

「俺のいまの本名が加藤ブランドンなんですけど、ジョーダンっていうのは旧姓なんですよ。帰化する際に変わっちゃって。最初は『Mr. "All Bad" Kato』もいいかと思ってたんですけどね」

――それもかっこいいじゃないですか。カトーってのはヒップホップっぽいし。

「そうなんですよね。ただ、〈ジョーダン〉はけっこう気に入ってたんで」

――そういえば、OMSB'Eatsって名前はどこから来たんですか?

「これは本当にしょうもないんで言いたくないんですけど。まだ別の名前でやってて……バイトしてる時に、単純に〈オムスビーツ〉って言葉がパッと浮かんだだけなんです。本当によくわかんないんで、人に名前の由来を訊かれると〈コンビニで最初におむすびをチェックするから〉とか適当に言ってたんですけど(笑)」

――その時にSIMI LABはもうあった?

「ギリギリやってたぐらい。当時の名前は恥ずかしすぎるんですけど。HAKKAっていう名前でやってて。Hi'SpecとかQNと会った時にはその名前でしたね」

――どこから付けた名前なんですか。

「そのときなぜか『攻殻機動隊』が好きで。〈ハッカー〉って響きがヤバいと思って。別に『攻殻機動隊』については語れないんですけど、何かちょっと好きだったんですよね」

――それは知りませんでした。

「いや、いまやっと言った感じですよ(笑)。それで名前を変えて、最初はそんな活動もしてなかったから適当だったんですけど、そのうちOMSB'Eatsで名が通るようになったからいいかと思って。で、最近〈Eats〉の部分があんまり好きじゃなくなったんで、シンプルにOMSBにしたんです」

――最初にOMSB'Eatsという名前を見た時は、よくできた名前だと思いましたけどね。食べるん?みたいな。

「捨て難かったんですけどね」

――そこから、アルバムのオープニング曲名でもありますけど、〈One Man Slang Band〉に広がるのはかっこいいですよね。最初からその略称だったみたいな。

「そうなんです。今後は、最初からそうだったぐらいの感じで言いたいですね。おむすびだと柔らかい名前なんだけど、〈One Man Slang Band〉は固い感じだし」

――そういえば、同じ“One Man Slang Band”ってタイトルの曲は以前SoundCloudにインストを上げてましたよね。リズムのパターンも近いというか。

「ああ、でもそれは意識しないでやった感じですね。“One Man Slang Band”ってタイトルの曲でアルバムを始めたかったというだけで」

――他にフリーでいろいろ出されてますけど。本当にね、アルバム出せよって思ってた人も多いと思いますよ。

「さんざん言われてきました(笑)」

――『Kitajima “36″ SubLaw』も僕はちゃんと聴ききれてないんですが、フリーで出してるビートがアルバム収録曲の下地になってるものもあるんですか?

「自分的に不合格だったものがSoundCloudに流れてるんで、それはないです。単純にアルバムの構成を考えてビートを選んでいったのもあるし、自分がラップしやすいということを基準に選びました」

――ということは、今回の『Mr. "All Bad" Jordan』はどちらかと言えば、ラッパーとしての自分のほうが強い?

「そうですね。あんまり考えてなかったけど……今回はそうですね」

――逆に、これまでのOMSBさんってどっちかと言うとビートのほうの評価が高かったと思うんですね。

「まあ、確かにそんな気はします。かといって、〈俺はビートメイカーだから〉って言ってインスト・アルバムとか、自分がラップしない客演メインの作品とか、そういうのは自分で何か言い逃れしてる感じがして、今回そうするのは嫌だったんで。OMSBのアルバムはラップでガツンとやってやろうとは思ってました」

――WAH NAH MICHEAL名義のアルバムが今後あるとしたら、そういうビートメイカーとしての作品もアリですよね。

「そうですね。それはまたそういうふうに考えています」


カテゴリ : ニューフェイズ

掲載: 2012年10月17日 18:01

更新: 2012年10月17日 18:01

インタヴュー・文/出嶌孝次