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インタビュー

ケイコ・リー

スーパーなスタンダード曲をスーパーなデュエットで!

耳馴染みの大名曲をフレッシュに愛でようとした『スーパー・スタンダーズ』が発売されたのが2002年。ケイコ・リーの新作はその第2集である。

「選曲は苦労しました。“スーパー・スタンダーズ”という括りのなかで選び出したらキリがないですから。200程候補曲を出しました」

誰もが知っている曲。それが、唯一の選曲基準。そこで、ガーシュウィン曲、サイモン&ガーファンクル曲、バート・バカラック曲、ブロードウェイのミュージカル曲などが選ばれた。今回はポップ曲の比率が少し高くなっている。

「歌う事の難しさを再確認しました。各々シングル・カットしてもいいぐらいにしようと心がけたので。スタンダードな曲を曲趣を壊さずに、品を保ちつつ自分を出すというのは難しいです」

バンド伴奏からピアノ弾き語りまで様々な設定で、名曲の“表裏”が浮き上がる。が、今作の聞き所はそれだけに終わらない。というのも、5曲は内外の著名男性歌手とのデュエット曲であるからだ。うち、EXILE ATSUSHI、ゴスペラーズの村上てつや、玉置浩二はそれまで交遊を持っていた人たち。玉置の場合はいかにもミュージシャン同志らしい経緯で共演が決まった。

「ATSUSHI君と今回のレコーディングが終わって食事をしていて、玉置さんに電話したら、彼が合流したんですよ。それで、玉置さんもデュエットやってよと言ったら、いいよと。そしたら、(チャップリンの)《スマイル》はどうかと、アルバムのコンセプトとか言っていないのに、ぴったりの曲をあげてきたんです。そして、その場で2人でアカペラでやったら、もう後に録音した通りの感じで歌えて、これはやるしかないとなりました」

海外勢はラウル・ミドンとジェラルド・アルストン。面識はなかったものの快諾してくれ、その2曲はNYで録音された。

「ラウルは彼の歌とギターと私が重なるのを想定し、ロバータ・フラックのラヴ・ソングがいいと思った。また、マンハッタンズのジェラルドには、スタイリスティックスの曲を歌ってもらうという図々しいお願いを快く受けていただきました」

まさにゴージャズな、スーパー・デュエッツ群! その歌の編曲の大半は彼女がやったという。

「デュエットは楽しいです。気を遣いますが、それは皆声の個性があるので、歩み寄るのは当然のこと。相手によって、こんなに自分が変われるというのが新鮮でうれしかったですね」

LIVE  INFORMATION
『「ケイコ・リー・シングズ・スーパースタンダーズ2」発売記念ライヴ』
1/23(水)Restaurant Bar CIB(熊本)
1/25(金)BICK BLOCK(大分)
1/26(土)JAZZ Club BILLILE(下関)
1/31(木)、2/1(金)Billboard Live Osaka

カテゴリ : インタヴュー

掲載: 2012年12月26日 16:02

ソース: intoxicate vol.101(2012年12月10日発行号)

取材・文 佐藤英輔