lynch. “BALLAD”
[ interview ]
lynch.のニュー・シングル“BALLAD”は、昨年10月のシングル“LIGHTNING”のメロディー重視の作風を継承しながら、さらにポップ度を高めたサウンドに耳を惹きつけられる。鍵盤と歌で始まる表題のミディアムは、いわゆるゆったり聴かせるバラードかと思いきや、疾走感溢れるリズムに哀愁溢れる美旋律を乗せて攻めてくる。対して、カップリングの“CRYSTALIZE”はエッジーなデジタル風味と突き抜けた明るいムードを共存させたりと、2曲共、ソングライティングに磨きをかけた良曲に仕上がっている。今後の展望を含め、メンバー全員にじっくり話を訊いた。
“BALLAD”以降の変化
――昨年10月のシングル“LIGHTNING”以降のバンドの状況はどうですか?
玲央(ギター)「去年末もずっとツアーを回ってましたね。“LIGHTNING”は楽曲制作のやり方から変えて、歌を前に出したシングルだったんですよ。それが多くの人に受け入れられたことが嬉しかったですね。で、今年の2月にシングルを出す話も出ていたので、その制作を平行してやってました」
――ツアー中に曲作りを?
玲央「葉月(ヴォーカル)はいつもMacを持ち歩いているので、上がってきたデモを聴きつつ、楽屋やホテルでプリプロしつつという作業でした」
葉月「バンドの状況と言われると、そういう感じですね。心境的な変化と言われると難しくて、“BALLAD”以降の気持ちの変化はあるんですけどね」
――“BALLAD”以降はあるんですか?
葉月「まあ、現在ですよね。それはのちほど話します(笑)。今回の曲は、〈THE FATAL EXPERIENCE #2〉のツアーが始まる前に1か月ぐらい時間があったので、そのときに作った曲ですね。それぞれのフレーズやアレンジを煮詰めたりはツアー中にやりました」
晁直
――ちなみに、〈THE FATAL EXPERIENCE #2〉のツアー自体はいかがでした?
葉月「夏のツアーとコンセプトを分けてやるモードではなかったので、そのままフラットな状態でやれましたね。ただちょっとキャパシティーを広げただけという」
晁直(ドラムス)「楽しかったですね。ライヴも休みなく最初から最後まで一気にやる感じで。広いけど、お客さんも一杯いましたしね」
明徳(ベース)「〈THE FATAL EXPERIENCE #2〉でわりと大きめの会場でやった翌日に、めちゃくちゃ小さなライヴハウスでメンバーズクラブ用のライヴもやったんですよ。すごく近い日数で対極とまではいかなくても違う志向のライヴができたのでおもしろかった」
悠介(ギター)「〈THE FATAL EXPERIENCE #2〉は会場の規模が大きくなって、本数は減ったけど、忙しさはあまり変わらなかったんですよ。でも忙しくて辛いなというより、暇な時間がなくてよかったなと(笑)。充実した時間を過ごせましたね」