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インタビュー

BONNIE PINK with 新日本フィルハーモニー交響楽団

「まるで、素敵に盛り上がったパフェのてっぺんに載っけられたチェリーになったみたいな気持ち」

斬新な企画には定評のある新日本フィルと、日本の人気シンガー・ソングライターBONNIE PINKとの夢のコラボが実現。3月末に同楽団の本拠地〈すみだトリフォニーホール〉で2公演限りの共演コンサートを開催する。95年のデビュー以来、個性的な作品をコンスタントにリリースしてきたBONNIE PINK(※以下、BP)だけに、名門オーケストラをバックに果たしてどのような歌唱で魅せるのか、音楽ファンなら大いに気になるところだろう。

BP「いつもミニマムな編成でのライヴが多いので、60人のオーケストラの生演奏で歌う自分をまだ想像できません。背後から押し寄せてくる その音の波に敢えて呑み込まれてみたい。実は今回の企画をいちばん楽しみにしているのは他ならぬ私かも。いろんなバックグラウンドを持つミュージシャンの 演奏で自分の書いた曲が演奏される瞬間って何度体験してもワクワクしますが、それがオーケストラともなるとさらに特別でしょうね」

編曲を担当したのはマルチミュージシャンで、ロックとクラシックの両フィールドを自在に渡り歩く藤尾領。

藤尾「オリジナルを改めて聴き込むと、どの楽曲も毛色が違って多彩。それとバンドも彼女の歌唱もかなり自由度が高いのが印象的でした。クラ シックはいわば楽譜によってガチガチに固められた世界なので、その上で彼女の歌がどうヒラヒラと自由に舞うのか、その姿を期待したいと思います」

BP「私自身、楽器演奏に秀でたタイプではないので、そもそも楽曲中に演奏だけで聴かせる部分って非常に少ないと思う。その分、歌唱の方で 頑張っているので、どこを切っても歌がいっぱい詰まっているかんじなんですね。だから今回の編曲ではオーケストラだけで演奏されるパートが凄く聴いていて 気持ちが良かった。しかも歌のメロディをしっかりなぞって作っていただいているところもあって感動しました。なので、通常のライヴに比べて曲数は少なめで すが、1曲ごとにオリジナルよりも長めにたっぷりと楽しんでもらえると思います」

BONNIE PINKのファンとしてはどの曲が採り上げられているか楽しみなところだが…

BP「例えば《鐘を鳴らして》はタフなロックっぽい曲だけにオリジナルではリズムも立ちまくっているところを、デモを聴くと楽器の演奏でかっちり刻んでいただいていて嬉しかったです」

藤尾「その曲、確かに手強かったですね(笑)、結構いろいろ迷いました。他にもキーをとるのが非常に難しい楽曲もありましたし。でもいったんメロディを裸にすると違う骨組みが見えてきたりもして、編曲作業では発見もたくさんあって面白かったですよ」

BP「なるべくシングル曲とか認知度が高い楽曲を多めに選びました。特に《A Perfect Sky』》は派手でポップなオリジナルの世界とはかなりテイストが違っていて面白いと思います。また、サウンドの構成が変わったことで旋律がより際立つものなどもあったりするのでお楽しみに。本当に今回は自分がまるで、素敵に盛り上がったパフェのてっぺんに載っけられたチェリーになったみたいな気持ちです」

もちろんクラシック・ファンの聴き所もたっぷりと用意。

藤尾「オーケストレーションは王道ですし、様々な編成で聴かせます。マニアックな音楽ファンをニヤリとさせるような仕掛けもありますよ。また日本を代表する東京混声合唱団だけにコーラスの厚みも相当なものです」

BP「これまで生のオーケストラの響きにあまり馴染みがなかったと云う方にもぜひ足を運んでいただきたい。きっと非日常的な空間に身を委ねる体験に心が動かされるはずです。最近ちょっと元気がなくて…という方もきっと帰り道ではスキップしてると思う。退屈な日常をカラフルにしてくれるコンサートになることをお約束します!」

BONNIE PINK with
新日本フィルハーモニー交響楽団

3/29(金)18:30開場/19:00開演
3/30(土)17:30開場/18:30開演
曲目:A Perfect Sky/Heaven's Kitchen/鐘を鳴らして/他
出演:BONNIE PINK / 新日本フィルハーモニー交響楽団 / 東京混声合唱団/竹本泰蔵(指揮)
会場:すみだトリフォニーホール
http://www.diskgarage.com/

カテゴリ : インタヴュー

掲載: 2013年03月01日 20:39

ソース: intoxicate vol.102(2013年2月20日発行号)