INTERVIEW（3）――さらけ出すことって、すごく大事

さらけ出すことって、すごく大事

――畑亜貴さんの歌詞はいかがですか?　今回もすごいと思いました。

玉屋「本当にすごいです。Wiennersを始めた時は、意味のない言葉を並べて、単語の持つ力を100％信じるっていうやり方だったんですけど、やっていくうちに文章にしないと伝わらないなと思って、いまは試行錯誤しているところなんです。畑さんは、単語で完結できる。単語なんだけど文章になっているというか。〈ホンタイ伸び放題〉とかすごいよね。それで感動できるっていう」

ねむ「〈ギャロップ ギャロップ〉とか（笑）。さっき、〈でんぱ組.incがこれからやろうとしてることを汲んで曲を作った〉っておっしゃってましたけど、畑さんも同じ気持ちでやってくれていて。うちらのこれからやらなきゃいけないことといまの立場、ファンの目線が全部入ってるなと思っていて。少年と少女をファンの人たちと私たちに置き換えると、いまの状況が全部詰まってるんですよ。それに感動しちゃいました」

玉屋「人に歌詞を付けてもらうのはおもしろいですね。俺、まだ歌詞にそんなに自信がないので、こういうふうに付けるんだって勉強になります。こういうワードがここにきて響くと、メロディーがこういうふうに変わるんだなって。悔しい気持ちもありますね」

――ご自身で書きたいという気持ちもある?

玉屋「いまは無理だなって思うんですけど、いずれやりたいですね。いちばんいいなと思うのは、メンバー全員と作ることですかね」

一同「おおー!!」

ねむ「やりたい!　えいたそは作詞してるよね。マキシマムえいたそ名義で」

玉屋「ラップできるって聞いたよ」

瑛美「や!　できるっていうレヴェルじゃないです!」

玉屋「でもいずれできたらおもしろいよね」

――今回のラップ・パートはもふくちゃん（レーベルの代表）の作詞ですね。

ねむ「そうですね。このラップ前の〈「この先大丈夫かな・・・」〉っていう台詞って、“W.W.D”の流れがあって。前の曲をモロに引きずっているんですよ。普通、引きずらないから!っていう。別のCDなのに（笑）」

瑛美「作ってる方も別なのに繋がってるんですよ」

ねむ「ラップで〈マイナスからのNo.1 つかむぜ〉って言っちゃってるんです。“W.W.D”は〈マイナスからのスタート〉だったのに。起伏がモロにでんぱ組.incっぽいですね。みんなを幸せにするよって言ってるのに、裏では〈もう生きていけない……〉って思っているっていう（笑）」

玉屋「それが出せるのがすごいですよ。ドキュメンタリー性があって。Wiennersはそういうのを全部排除してやろうと思ったんだけど、行き詰って曲作れなくなったときに〈この思いを曲にしなきゃダメなんだな〉と思ってすべてを出すことにしたら、お客さんが曲を聴いてくれるようになったんですよ。さらけ出すことってすごく大事だし、強いなって」

瑛美「最近、同じことを感じました。自分を作ってたんですけど、前回で自分を壊して、いまこの曲を歌っていることが気持ち的に楽で」

玉屋「いままでは悩んだりしてるところを出さなかったんだ」

瑛美「はい。でんぱ組.incのみんなが暗すぎて」

ねむ「ちょっと!　ひどくない!?」

梨紗「でもこういうのがないと嘘っぽくなるので」

ねむ「作ってるってすぐ言われるもんね。こんなに本当のこと言ってるのに。嘘で〈いじめられ〉とか歌われへん。あと今回、CDが９種類あるんですけど、〈成瀬瑛美盤〉で玉屋さんご本人がリミックスしてくださって」

瑛美「めっちゃいいっすよー!」

玉屋「ホント?　あれ、自分でメロディー変えちゃったんだよね（笑）」

――自分で一度作ったものを再構築するのはいかがでした?

玉屋「曲を作ってるときからリミックスしてるみたいな感覚があって。音を使って悪ふざけするのが大好きなんです。技を知ってるわけじゃないんですけど、遊ぶならこうするかなって」

ねむ「遠くから聴こえてきてあっちに行っちゃうみたいな、ヘッドフォンで聴くとすごいおもしろい仕掛けもあって」

瑛美「全然飽きないんですよ!」