インタビュー

TRIX

デビュー10周年〜超テクは引き続き、超ジェネレーションで若返り!

人気フュージョン・バンド、TRIXがあっという間にデビュー10周年を迎えた。オリジナル・アルバムも今作『DELUXE』で10作目。元カシオペアの熊谷徳明(ドラムス)と元T-SQUAREの須藤満(ベース)という日本の二大フュージョン・バンドのDNAを持つこのバンドの魅力とは?

「T-SQUAREのキャッチーなメロディとカシオペアのタイトなリズムがうまくブレンドしつつ、そこにこのバンドならではの新しいエッセンスが混ざった感じでしょうね」(熊谷)「僕はプロになったのがT-SQUAREで結局14年間在籍しました。その中で音楽的にいっぱい学んだことがこのバンドで発揮されているんですよね」(須藤)

バンドは2年前にギターに菰口雄矢を迎え、さらに今回は新メンバーにキーボードのAYAKIが参加し、今新しい流れの中にいる。熊谷はAYAKI参加の経緯をこう語る。

「ミュージシャンにとって大事なものは〈閃き〉なんですね。即興演奏やる上では当然必要です。AYAKIくんはそういう資質が十分にあったので、直感でメンバーに決めましたね」

今回はメンバー全員によるオリジナル楽曲全10曲で構成され、しかもその曲調は同じバンドのメンバーが演奏したのかと思うほどバラエティに富んでいる。

「10周年なので曲のコンセプトはこれまで以上に広げて曲順もソフトなものとハードなものという対照的な楽曲を並べてそれらの個性を強調しようと工夫しました。全員それぞれ自身のキャラを生かした楽曲になっています」(熊谷)「僕の曲はギタリストでないと作れない曲というか。他のメンバーにないものを出してゆこうと思いました」(菰口)「自分の場合、普段からジャズ・フュージョン系のセッションに参加しているのでジャジーな曲になりましたね。須藤さんのフレットレス・ベースもいい感じで入れていただきました」(AYAKI)「10枚目なので何かやんなきゃという気持ちがあって。本当は大曲を作りたかったんですが、なかなかまとまらず4曲分のモチーフをメドレーにしていったら菰口くんから「メドレーじゃなくてもいいんじゃないですか」と言われて。最終的にそれを2曲にまとめたのが今回提供した曲になっています」(須藤)

超テクニカルもあり、メロウもあり。それぞれジェネレーションの持つ音楽性がよりサウンドの完成度を高め、また若手メンバー参加により平均年齢も下がり(笑)、TRIXはさらなる進化の時期を迎えたといえる。その醍醐味、ライヴでも体感したい。

LIVE  INFORMATION
『TRIX 10thアルバム「DELUXE」リリースツアー』

7/19(金)仙台・LIVEHOUSE enn 2nd
7/20(土)日立・GEORGE HOUSE
7/26(金)名古屋・THE BOTTOM LINE
7/27(土)京都・LIVE SPOT RAG
7/28(日)岡山・MO:GLA
7/31(水)東京・STB139
http://homepage2.nifty.com/ost-noriaki/

カテゴリ : インタヴュー

掲載: 2013年06月26日 19:34

ソース: intoxicate vol.104(2013年6月20日発行号)

interview&text:馬場雅之(タワーレコード本社)