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インタビュー

INTERVIEW(2)――鋲の声とSCREWらしさ



鋲の声とSCREWらしさ



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和己

――ここで改めて、音楽的背景というのを訊いておきたいんですが。

ジン「もちろんヴィジュアル系も聴いてきましたけど、主に影響を受けてきたのは洋楽のメタル系ですね。モトリー・クルーとか、ハロウィンとか。そういった方向を狙ってるという意味じゃなく、通ってきたのはそのへんです。スリップノットも大好きだし」

「僕は逆に、ほとんど洋楽の血が入ってないんですね。0.1%ぐらいかな(笑)。メロディー的に喰い付くものもあるんだけど、そうなってきたのも最近になってからで。そもそも日本のバンドばかり聴いていたときも、惹かれるのはメロディーだったし。せつないメロディー、綺麗なメロディーが好きなんです。洋楽だとミューズとかには結構ハマった時期がありました。ドラゴンフォースとか、ソナタ・アークティカみたいな、ちょっとクサいぐらいのメロディーのメタル・バンドをよく聴いてた時期もあります。グッとくるメロディーなんだけどサウンドは爽快で、なんかジェットコースターに乗ってるような感覚になれるんですよね。ただ、そういった音楽についても、自分で探して手を伸ばしてみたというよりは、たまたま耳に入ってきて惹かれたという感じで」

和己「僕は結構メタル寄りですね。ギターが上手くなりたいと思うと、そうなりがちな部分ってあるじゃないですか。ガンマ・レイとか、ハロウィンとか。そこから逆にX-JAPANを聴くようになって、ヴィジュアル系を知って……。時代を遡りながらまた戻ってきた、みたいな感じですね」

――このバンドでは鋲さん以外の全員が作曲をする。それも音楽的な幅広さに繋がっていますよね。しかし今回のように自分たちの名前をタイトルに掲げたアルバムを作ろうとした場合、むしろ音楽的には〈これぞ自分たちのど真ん中〉というところに絞り込もうとすることが多いんじゃないかと思うんです。

和己「これでも結構自分たちとしては寄せてるというか、核に近いものを出してるつもりではあるんです。ただ、それだけじゃない部分というのも僕らのなかではすでにSCREWになっているというか、いろんな曲があるのがあたりまえになっているんで」鋲「たとえば真ん中にあるものだけを出そうとしながら作ると、〈こういう曲、昔にもあったよね?〉みたいなことになるだろうし、自分たちが飽きたら終わっちゃうと思うんですよね。それよりも常に新鮮な作品を作っていきたいなと思うし。もちろん広がりすぎは良くないけども、これぐらいは全然アリだと思う」

ジン「うん。結成当初からわりと〈似たような楽曲は、作ってもしょうがない〉というのがあったんです。だから昔から幅広かった。で、幅広いなかで、1曲1曲がSCREWらしさのあるものであればいいというか。だから楽曲的にはいろいろだけど、どれもSCREWっぽいという意味では、このタイトルに相応しいアルバムだと思う」

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マナブ

――その〈SCREWっぽさ〉というのは、たとえば?

ジン「ざっくり言ってしまうと、やっぱり最初にも言ったような〈激しいなかにもしっかり聴こえるメロディーがある〉というところだと思うんです。あとはやっぱり鋲くんの声じゃないかな。彼の声自体が幅広いし、しかもどの声も彼らしい。それがさまざまなタイプの楽曲をSCREWらしいものにしている部分は、やっぱりあると思う」

「たとえばちょっと(SCREWとは)遠すぎる感じの曲が出てきたとき、それが僕の声で歌うには無理があるようなものだったら、それを和己とかが指摘するんじゃないかと思う」

和己「そうかもしれない。もちろん曲を作るうえでの、自分のなかでの線引きというのはあるんです。曲って変わっていくものだし、このメンバーでやるとどう変わっていくかってことも、だいたい想像できる。だけどそこでまったく想像できないようなものとか、〈いまのSCREWには要らねえな〉と思うようなものは、どんどん除外していく。そういう方向に話を持っていきますね」


カテゴリ : .com FLASH!

掲載: 2013年07月10日 18:01

更新: 2013年07月10日 18:01

インタヴュー・文/増田勇一