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インタビュー

CHVRCHES 『The Bones Of What You Believe』

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2013年09月18日 18:00

更新: 2013年09月18日 18:00

ソース: bounce 359号(2013年9月25日発行)

インタヴュー・文/松永尚久



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昨年末にネットで公開した“The Mother We Share”が話題を呼び、UKの主要な音楽メディアで〈2013年の注目バンド〉と取り上げられるように。そして日本でもこの夏に『EP』でプレ・デビューを果たし、〈サマソニ〉にて初来日……と、トントン拍子でスターダムを駆け上がっているグラスゴーの3人組が、本稿の主役であるチャーチズだ。

「僕とイアンは以前からの知り合いで、お互い別々のバンドを組んでいたんだけど、一昨年くらいかな、いっしょにエレクトロ・ポップ・バンドを始めようって話になったんだ」(マーティン・ドハーティ)。

「その頃、私も別のバンドにいたんだけど、イアンから誘われて参加してみたら、あっという間に世界を回るようになっていたの」(ローレン・メイベリー)。

「これは僕ら自身も想像していなかった展開で、実はいまの状況を上手く理解できていないんだ。でも、そのほうが周囲の声に左右されず好きな音楽に集中できそうだから、良いことだと思っているよ」(イアン・クック)。

そんな彼らの音楽は、基本的にシンセサイザーで制作されている。

「シンセサイザーをベースに、そこからドラムマシーンを入れたりするやり方なんだ。時にはギターを使うこともあるけど、いまはこの3人でシンセを駆使して作る音が心地良いんだよ。いろいろな音を入れたら、そのバランスが崩れてしまう感じがするしね」(マーティン)。

「でも、3人で作る音に関してルールはないよ。自由にアイデアを持ち込み、全員がおもしろいなと思う部分だけを採用していくんだ」(イアン)。  こうして完成したファースト・アルバム『The Bones Of What You Believe』について、「最初から最後まで3人の音へのこだわりが行き届いた仕上がり」とメンバーは口を揃える。

「アルバムで大切にしたのは多彩さ。いまのアルバムってワンパターンな曲ばかりを集めたものが多くて、僕らにとってはちょっと退屈に聴こえるんだよね。キャッチーなものから実験性に溢れたものまで、抑揚のある一枚をめざして制作したんだ」(イアン)。

「うん、それと何度でも聴きたくなる構成を考えたよ。昔のアナログ盤のように、45分の短編映画を観ているような感覚を与えられる仕上がりになったと思うんだけど……どうかな?」(マーティン)。

その名を一躍有名にした“The Mother We Share”からスタートする本作。パッと聴きは初期デペッシュ・モードを思わせる甘くてキャッチーなシンセ・ポップだが、聴き進めるうちに深い夢の世界を放浪しているような、不思議な気持ちを覚える。そのなかでも効果的なのがローレンの存在感だ。キュートな見た目や歌声とは裏腹に、歌詞では男女関係が終焉する瞬間など、現実のままならない状況を、クールに、そして鋭く洞察する。実は彼女、音楽活動と並行してジャーナリストとしての顔も持ち(現在はバンドが多忙のため休止中)、その経験がリリックに深みをもたらしているのではないだろうか。

「歌詞に関しては、できるだけ自分の感情を閉じ込めるようにしているの。じゃないと、パフォーマンスの時に気持ちが入らないから。でもね、すべてが自分の実体験なわけではないわ。ある程度の普遍性も採り入れて、リスナーが自分なりに解釈できるような隙間も用意しているつもりよ」(ローレン)。

そんなローレンが紡ぐ言葉に加えて、楽曲の至るところで確認できる音の隙間もチャーチズらしさを印象付けるひとつと言えよう。

「最小限の楽器を駆使して最大限の効果をリスナーにもたらす音作り、それが僕らの目標なんだ。つまりシンプルなんだけど、音数の多い楽曲に匹敵するドラマティックさを追求したかったし、これからも追求していこうと思ってるよ」(マーティン)。

「ジャーナリストの視点から言わせてもらうと(笑)、このバンドに流行なんて関係ないわね。流行を追いかけるのがバカらしく思えるくらいの魅力を、私たちから感じてもらえると思うわ」(ローレン)。



PROFILE/チャーチズ


ローレン・メイベリー(ヴォーカル)、イアン・クック(キーボード)、マーティン・ドハーティ(キーボード)から成る3人組。2011年、エアーエオグラムのメンバーであるイアンを中心にグラスゴーで結成。2012年5月にファースト・シングル“Lies”を発表し、その頃からウルトライスタやミス・ミスターらのリミックスを手掛けるようになる。BBCの〈Sound Of 2013〉に選ばれて注目されるなか、今年3月にファーストEP『Recover EP』をリリース。デペッシュ・モードなどのサポート・アクトを経て、7月に日本独自盤『EP』を発表し、8月に〈サマソニ〉で初来日。このたびファースト・アルバム『The Bones Of What You Believe』(Goodbye/Virgin/HOSTESS)を9月25日にリリースする。

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