インタビュー

Dianne Reeves



ベテランから若手まで、ダイアンのために才能が結集!

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ダイアン・リーヴス自身も参加したザ・モザイク・プロジェクト。ブルーノートからコンコードへの移籍作となる『ビューティフル・ライフ』には、このジャズ系ミュージシャンの女子会的プロジェクトのメンバーが目につく。プロデューサーは、主宰者のテリ・リン・キャリントン。そしてエスペランサ・スポルティング、シーラ・E、イングリッド・ジェンセン……音楽性とゲストの多彩さ、アルバム・カヴァー写真も含めて、“華やぎ”が随所に感じられる仕上がりだ。

「テリ・リンにプロデュースしてもらったのはブルーノート時代の『That Day…』(87年)以来のことだけど、彼女が10歳の頃から知っているので、私にとっては妹みたいな存在なの。彼女は単なるドラマーではなく、幅広い才能の持ち主だから、信頼できる。実際、彼女はさまざまなミュージシャンを適材適所に配して、私の魅力を引き出してくれたと思っているわ」

新作は、エスペランサやロバート・グラスパー、グレゴリー・ポーターなど新世代のジャズ系ミュージシャンとのコラボレーションを軸としたアルバム。また、オリジナル曲に加えて、幅広いジャンルのカヴァーが並んでいる。アニ・ディフランコの《32フレイヴァーズ》のみ、テリ・リンと、ザ・ルーツと活動しているロバート・アングリーの共同プロデュースだ。

「フリートウッド・マックの《ドリームス》以外は、私自身の選曲。《ドリームス》はアレンジのアイデアを持っているから、とグラスパーが提案してくれたの。私にとってアニ・ディフランコは、何よりまず詩人という位置付け。彼女の言葉は、心に火を点けてくれる。しかも《32フレイヴァーズ》はとても美しい曲。この曲にロバートが関わっているのは、最初に完成したトラックを聴いて、テリ・リンが何かが足りないと判断したから。そんなこともあって、《32フレイヴァーズ》は今回のレコーディングの機動力というか、勢いをつけてくれた曲なの」

新作には、今年8月に亡くなったキーボード奏者のジョージ・デュークが参加した曲も収められている。ブルーノート第1弾のプロデューサーでもあったジョージは、ダイアンの従兄にあたる。

「ジョージはジャズはもちろん、クラシックからファンクまで色々な音楽に精通していたし、とにかく才能の大きな塊のようなミュージシャンだった。しかもジョージには人を引きつける魅力があったし、彼自身も人間を愛していたから、誰からも好かれた。彼は私に色んな話をしてくれたけど、もっともっと話をしたかった。だからジョージが突然いなくなって、心の中にどころか、宇宙にぽっかり穴が開いたような気分よ」



カテゴリ : インタヴュー

掲載: 2013年10月28日 10:00

ソース: intoxicate vol.106(2013年10月10日発行号)

interview&text :渡辺亨