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インタビュー

〈相棒〉のブラック・ミルクもお忘れなく!



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ディラ・フォロワーたちの考える伝統的で哀感や情趣に傾いたデトロイトらしさと、よりナスティーでブーミンなデトロイトらしさ。それらを兼ね備えながら、また違うスペースへも臆せず踏み込んでいる彼こそが、本来の意味でディラの後継者と呼ぶに相応しいだろう。ブラック・ミルク。生前のディラとも交流を持ちながら、ヤングRJと組んだコンビ=BR・ガンナとしてスラム・ヴィレッジのレコーディングに長らく関わり、コンビ解消後はソロ活動を本格化。ビートメイカーとして、ラッパーとして高い評価を得ているデトロイトの才能だ。

そんな黒乳はダニー・ブラウンを表舞台に引き上げようとしてきたひとりでもあり、ミックステープ『Detroit State Of Mind 4』にビートを提供して自作に招いた翌年には、自身とギルティ・シンプソンらの組むランダム・アックスの作品に出番を与え、最終的にはコンビ作として『Black And Brown!』を残してもいる。

サンプリングを下地にしながら作品によってはビギャブギャしたシンセ主体の音作りに徹したり、もともと作風的な引き出しは相当多い人だが、このたび登場したばかりの新作『No Poison No Paradise』はロバート・グラスパーとを迎えていることからもわかるように、ジャジーなミュージシャンシップをコズミックな意匠で響かせている。この感じはダニーにもしっくりくるはずなので、また再会を期待したいところだ。

 

▼ランダム・アックスの2011年作『Random Axe』(Duck Down)

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2013年11月27日 17:59

更新: 2013年11月27日 17:59

ソース: bounce 361号(2013年11月25日発行)