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インタビュー

fox capture plan



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ジャズ・ロックの今をキャプチャーできたか?!

“現代版ジャズ・ロック”を標榜するピアノ・トリオ、fox capture planの『BRIDGE』は実にフレッシュなアルバムだ。彼らの魅力はレコード店のコーナーの仕切りを軽々とまたぐような雑食性と奔放さ。今年5月に出たファースト・アルバム『trinity』はジャズ・フロアはもちろん、インスト・ロックやクラブ・ジャズのコーナーでも展開されたという。JABBERLOOPの岸本亮(p)、Immigrant's Bossa Bandのカワイヒデヒロ(b)、 nhhmbaseの井上司(ds)により結成された2011年当初から、3人は音楽的コンセプトを明確に共有していた。

「ESTなどのコンテンポラリー・ジャズと、ジャガ・ジャジストやtoeのようなポスト・ロックが好きで、その両者を混合した音楽をやりたいと思ってましたね。この両者って、色んな楽器がポリフォニックに動くアレンジとか、クールで浮遊感のあるコード進行とか、共通点が色々あると思ったんですよ」(岸本)

変拍子も駆使したコンポーズの妙は相変わらずだが、新作では、冒頭2曲で火を吹くようなインタープレイを聴かせる。「今まではじわじわと自分たちの世界に引き込む感じだったのが、今回は最初からいきなりガツンとつかみますね」(井上)との言葉の通りだ。一方で、5曲目の《閉ざされた青い空間》ではエフェクトを縦横に使い倒し、彼ら流のダブステップとでも言うべき特異な世界を構築。更にはマッシヴ・アタック《Teardrop》のクールなカヴァーで幕を閉じるのも印象的だ。以前もビョークやオアシスのカヴァーを演奏していた彼らだが、見事な換骨奪胎っぷりである。

「ニルヴァーナの《スメルズ・ライク・ティーン・スピリット》をザ・バッド・プラスとかロバート・グラスパーがカヴァーしてますけど、あれって昔のジャズマンが《枯葉》みたいなスタンダードを演奏したのと感覚としては一緒じゃないかなって。ニルヴァーナって既にスタンダードだと思うんですよ。あと、カヴァーを入れることでリスナーとの距離を縮められたらいいですね」(岸本)

「オアシスもマッシヴ・アタックも、世代的に自分たちが音楽を聴きだした頃の曲なので、思い入れが強いですね」(カワイ)

ハイペースで次々に作品をリリースする彼ら。既に来年発表するアルバムの構想も固まりつつあるという。

「次はストーリー性のある、物語のサウンドトラック的なアルバムになりそうです。今回はそのアルバムへの橋渡しという意味合いもあって、勢いのあるうちに出しておきたかった。バンドが今いい状態だから、その勢いを封じ込めておきたかったんです」(岸本)



LIVE INFORMATION


『TRIO RIOT』
○12/16(月) 19:30開演 元住吉POWERS2

『カルメラ presents 東京ギンギンBATTLE』
○12/20(金) 19:00開演 東京・新代田FEVER

"BRIDGE"発売記念ライヴ+サイン会
○12/26(木) タワーレコード渋谷店 B1F「CUTUP STUDIO」
http://tower.jp/store/event/2013/12/003042

『TRI4TH × fox capture plan 名阪2マンライブ』
○1/17(金)大阪 心斎橋CONPASS
○1/18(土)名古屋 金山club SARU

Color & Monochrome
○2/23(日) 三軒茶屋a-bridge
http://www.a-bridge.jp/

レコ発ワンマン
○3/26(水)代官山UNIT
※詳細後日発表



カテゴリ : インタヴュー

掲載: 2013年12月13日 10:00

ソース: intoxicate vol.107(2013年12月10日発行号)

interview&text:土佐有明

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