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インタビュー

水樹奈々 『SUPERNAL LIBERTY』

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 水樹奈々の通算10枚目となるアルバム『SUPERNAL LIBERTY』がついに完成した。昭和歌謡のテイストを内包した個性豊かな楽曲群と、より自由度を増したボーカリゼーションが、新たなステージを大いに予感させる意欲作だ。彼女はいかにしてここにたどり着いたのか、本人の言葉をひもときながら考察する。



<この10枚目のアルバムが、私をより自由な未来へ連れて行ってくれる>



その印象は、まるで昭和の歌謡ショー。とりわけ1980年代後半あたり。演歌があり、アイドルや実力派歌手による歌謡ポップスがあり、個性豊かなシンガーソングライターがいて、あらゆる形態と志向のバンドがあって、老若男女もアナログもデジタルも入り乱れ、それはそれは愉快な音楽的混沌にまみれた時代のこと。水樹奈々の新作『SUPERNAL LIBERTY』には、確かにそんな時代の空気がパッケージされている。

「まさに<ひとり歌謡ショー>ですね(笑)。これまでに出会った、本当に色々なジャンルの曲を融合させ、それぞれの曲にフィットする表現を自由に考えながら、アルバムを作ることができました。私の細胞の隅々にまでしみ込んでいる演歌や歌謡曲のメロディを、今作では随所に感じていただけると思います。テーマはレトロ&フューチャー。昭和の時代の素晴らしいメロディと、現在の音楽とを融合させることで、今までにない温度感の作品を目指したんです。きっと若い世代の方には新鮮に、大人世代の方にはちょっと懐かしく感じてもらえるのではないかと思います」

なにしろ、DREAMS COME TRUEの名曲“笑顔の行方”のカバーをはじめ、多彩な作家陣の手による個性的な楽曲がずらり。水樹本人が詞曲を手がけたリードソング“アパッショナート”も驚くべき楽曲のひとつで、最初にプロデューサーから出されたお題がなんと<ヘヴィメタル>だったのだという。

「最初はもう、絶対ムリっ!! と、思いました(笑)」が、結果的に水樹は実にオリジナリティあふれるヘヴィメタルを完成させた。バンドネオン、フィドル、アルパ、スパニッシュギターにバグパイプといったヨーロッパの民族楽器に、とことんハードなバンドサウンドを融合させるという荒業で。

「めちゃくちゃ面白い曲ができた!!と、まずプロデューサーに提出したら、<振り切ってるね~>と笑われました(笑)。音楽理論的には、御法度なこともきっとたくさんしている気がするんです。でも、そのぐらい自由でいいのかなって。今回は音楽の本来の意味を改めて実感したんです。このリード曲だけではなく、最初から最後まで心から音を楽しんで制作ができました」



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昨年リリースしたシングル“Vitalization”が転機だった。無機質でハードな表題曲と、シンプルで緩やかなカップリング“愛の星”で、彼女は自分自身の振れ幅の大きさを確認できたのだ。そしてそれは同時に、水樹奈々という音楽の揺るぎない本質を知ることにも繋がった。

「自分がこれまでやってきたことに、本当の意味でちゃんと自信を持てたんだと思います。まっすぐ引いたラインをはみ出すことや、偶発的に出てくるものを、迷いなく楽しめるようになったんです。より感覚的になってきたというか。私はもともとが生真面目な性格で、何事もきっちりやらなきゃと思っていたし、例えばこれ以上崩すとダメかもしれない…と勝手な線引きをしていたところもあったんです。今回はそこから思いっきり飛び出せて、その結果新しい扉を開くことができました」

タイトルにもある は、今作のもうひとつのテーマだろう。自分自身からも解き放たれたような自由な感覚で作り上げたアルバムの幅と奥行きは、正直、これまでの比ではない。もとより表情豊かな歌声が、個性派揃いの楽曲たちに導かれてよりカラフルに花開き、聴いているとこちらも自ずと楽しくなってくる。

「LIBERTYという言葉は制作当初から頭の中にあったんですが、8割がたレコーディングを終えたとき、これはちょっとやそっとの自由じゃないぞ、と(笑)。それでSUPERNAL(天上の)という大きな意味の形容詞をつけました。ここが新たな始まりです。この10枚目のアルバムが、私をより自由な未来へ連れて行ってくれると確かに思えたんです。この1枚を生み出すことができて本当に嬉しい。是非、多くの方に聴いていただきたいです!」

言うなれば、直径12センチのCDで繰り広げられる最大級のエンタテインメントショー。水樹奈々という音楽は今、そう、とてつもなく面白い。

 

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■album……『SUPERNAL LIBERTY』4/16 on sale!

 01. VIRGIN CODE
02. GUILTY
03. アパッショナート
04. 笑顔の行方
05. アンティークナハトムジーク
06. Fun Fun★People
07. FATE
08. Vitalization -Aufwachen Form-
09. 哀愁トワイライト
10. セツナキャパシティー
11. Ladyspiker
12. Rock you baby!
13. Million Ways=One Destination
14. 僕らの未来
15. 愛の星 -two hearts- 

 

■Live…「NANA MIZUKI LIVE FLIGHT 2014」

 ★夏のライブツアー開催★
全国11会場14公演のロングラン!

6/1(日)山梨 富士急ハイランド コニファーフォレスト
6/8(日)長野 長野ビッグハット
6/14(土)、15(日)三重 三重県営サンアリーナ
6/21(土)、22(日)福岡 北九州メディアドーム
6/28(土)山口 防府市公会堂
6/29(日)鳥取 米子コンベンションセンター・BiG SHiP
7/5(土)山形 やまぎんホール(山形県県民会館)
7/6(日)宮城 東京エレクトロンホール宮城
7/11(金)、12(土)大阪 大阪市中央体育館
7/20(日)香川 さぬき市野外音楽広場テアトロン
8/3(日)神奈川 横浜スタジアム

※詳しくはオフィシャルサイトをご確認ください。


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記事内容:TOWER+ 2014/4/10号より掲載

カテゴリ : COVER ARTIST

掲載: 2014年04月10日 00:00

ソース: 2014/4/10

TEXT:斉藤ユカ