MALCOLM MCLARENの訃報を受け、JOHN LYDONら追悼コメント続々
セックス・ピストルズの仕掛け人として知られ、みずからもミュージシャンとして活躍したマルコム・マクラーレンが4月8日早朝、入院していたスイスの病院にて死去した。享年64歳。死因はここ数年患っていたガンだという。
ロンドンでファッション・デザイナーとして活動していたマクラーレンは、71年にヴィヴィアン・ウエストウッドと共にファッション・ショップ〈Let It Rock〉(後に〈SEX〉へと改名)を開店。一方でニューヨーク・ドールズのマネージャーを務めるなど、70年代のパンク・シーンにおいて重要な役割を果たした。特にセックス・ピストルズのマネージャーとして、反社会的なイメージとパンク・ファッションを組み合わせた戦略でバンドを売り出し、成功させた功績は大きい。
80年代以降は自身の名義で音楽活動も行い、作品ごとにジャンルを越えた刺激的なサウンドを提示した。特に83年のソロ・デビュー作『Duck Rock』は黎明期のヒップホップにいち早くアプローチした作品として、いまもなお高い評価を得ている。最後の作品は昨年発表された『Shallow - Musical Paintings』となった。
後にパートナーとなりマルコムとの間に子供ももうけたウエストウッドは訃報に際し「彼のことを美しい人だと思ったし、いまでもそう思っている。とても特別で才能を持った人だった」とコメント。セックス・ピストルズのジョン・ライドンは「マルコムはエンターテイナーだった。彼を失って寂しいし、みんなにもそう思ってほしい」と語り、ニューヨーク・ドールズのシルヴェイン・シルヴェインも「彼は素晴らしいユーモアのセンスの持ち主で、いつもにこやかな顔をしていたよ。落ち込んでいる時でも、彼が元気を与えてくれたものさ」との言葉を寄せている。
その他にもさまざまなアーティストが、Twitter上で哀悼の意を表するつぶやきをアップ。カルチャー・クラブ時代にマルコムのバックアップを受けてブレイクを果たしたボーイ・ジョージは「マルコムは悪党だった。人はそれぞれのドラマを持っているけど、彼は僕の人生のなかで本当に大きな部分を占めていたんだ!」と書き込み、P・ディディーは「音楽の世界は今日、ひとりのアイコンを失った」と綴っている。遺体は本人の意思により今後イギリスに運ばれ、ロンドンのハイゲイト墓地に埋葬される予定だ。
謹んで故人のご冥福をお祈りいたします。