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追悼・KAGAMI――彼が日本のクラブ・シーンに刻んだアッパーな軌跡を辿る

 

先日5月25日に急性心不全のため33歳という若さで急逝したテクノ・アーティスト、 KAGAMI。電気グルーヴやDJ TASAKAをはじめとする多くのクリエイターから支持され、全国のパーティー・ピープルから愛された彼の早すぎる死に追悼の意を表し、日本のクラブ・シーンに刻んだその軌跡をここで改めて振り返りたい。

ヴォコーダーやサンプリング・ネタを豪快に盛り込んだアッパーかつカラフルなサウンドが持ち味の彼は、 95年に『Y EP』でデビュー。98年のアルバム『The Broken Sequencer』は石野卓球やDJヘルなど世界中のアーティストから絶賛され、注目を集めることとなる。2000年にはDJ TASAKAと共に電気グルーヴのツアーのサポート・メンバーとしても活躍。同年10月にリリースされた『Tokyo ep』収録曲“Tokyo Disco Music All Night Long”は世界的なアンセムとなり、同曲のリミックスを収めた『Tokyo Disco CD』もジャンルの枠を越えて評価された。

2002年にはセカンド・アルバム『STAR ARTS』をリリース。同年と2003年に石野卓球が主催するイヴェント〈WIRE〉に連続出演し、そのときの音源はライヴ盤『WIRE GIGS』としてまとめられた。その後も、2005年に中村弘二(iLL)らが参加したサード・アルバム『SPARK ARTS』、2006年にミックスCD『PAH』とコンスタントに作品を発表。2008年にはそれまでの活動の集大成と言うべきベスト盤『BETTER ARTS』を自身のレーベル=KGM Offlineよりドロップしている。

リミキサーやプロデューサーとしても才能を発揮してきた彼は、DJ TASAKAとのDISCO TWINSや篠原ともえとのTokyo Flash!!!など、さまざまなコラボレーション・ユニットを展開。リミックス/プロデュースを手掛けたアーティストも、吉川晃司、シーナ&ロケッツ、ORANGE RANGE、BACK DROP BOMB、アルファ、ハカン・リドボと多岐に渡っている。DJ活動も精力的に行い、今年3月にはスペース・カウボーイの来日公演に参加するなど、シーンを牽引する存在としてますますの活躍が期待されていた。

謹んでご冥福をお祈りします。

 

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DISCO TWINS(インタビュー)
電気グルーヴ@恵比寿LIQUIDROOM 2009年7月11日(土)(ライヴ・レポート)

カテゴリ : ニュース

掲載: 2010年05月28日 23:30

更新: 2010年05月31日 08:48