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3バンドが熱演! GOING UNDER GROUND企画〈SOU FES〉第2回をレポート

 


GOING UNDER GROUND (photo by 徳之島与志[keng kong graphic] )

 

GOING UNDER GROUNDのフロントマン、松本素生のオーガナイズによるイヴェント〈SOU FES〉の第2回が5月6日、昨年に続いて東京・日比谷野外大音楽堂で実施された。

昨年はもちろん、ゴーイングのワンマンでも日比谷野音でのライヴはいつも雨に見舞われてきたが、今年は打って変わって初夏を思わせる爽やかな陽気で、すでにイヴェントの成功が約束されたような空の下、定刻に松本がステージに登場。「ジャンルの枠を超えて、ライヴの後に音楽が好きで良かったと思えるようなバンドが集まってます」とイヴェントの主旨を説明して、トップバッターのPeople In The Boxをステージに呼び込んだ。

 


People In The Box

 

サポート・ギタリストを加えた4人で現れた彼らは、1曲目であっさりと会場の空気を自分たちのトーンに変えてしまった。それは、日が暮れて夕焼けに染まる直前の少し色調が淡くなった空色のように、切なさと安らぎが相半ばするような感覚で、しかも演奏が進んでいくうちにその感覚はじわじわと熱を帯びていった。変拍子を折り込んで複雑に響く曲の展開は、まるで入り組んだ日々の暮らしのアナロジーのようで、だからこそ、その込み入った曲の展開のなかにあっても真っすぐに響いていく波多野裕文の繊細な歌声はそれ自体が印象的なメッセージとなって、このバンドの存在感を印象づけた。

 


ORANGE RANGE (photo by 徳之島与志[keng kong graphic] )

 

続いて登場したORANGE RANGEは、冒頭の松本の話にもあった〈ジャンルの枠を超えた〉レパートリーの幅広さがいちばんの個性だが、この日も最新シングルからほのぼのとした“もしも”でステージをスタートさせ、その後も少しひねった選曲で自身の音楽のさまざまな表情を披露していく。期せずして空を雲が覆い雨が降り始めると、今度はその雲を追い払うように定番の夏ソングやハード・チューンを連発して一気に会場の盛り上げていった。その自在な展開や、それを可能にする多様なサウンドとステージングにバンドとしての充実ぶりをしっかり感じさせたステージだった。

 


GOING UNDER GROUND (photo by 徳之島与志[keng kong graphic] )

 

そして最後にステージに立ったゴーイングは、いきなり代表曲“トワイライト”からライヴをスタート。〈雨が降らないことを祈るよ〉という歌詞が気の利いたジョークに聞こえるような空模様となり、さらに続く“TWISTER”の〈嵐が来ても止まらない〉というフレーズで、さきほどの束の間の雨もイヴェントを彩る演出のひとつだったんだと思えるような展開になっていった。

 


GOING UNDER GROUND (photo by 徳之島与志[keng kong graphic] )

 

4年前の春、ほかでもないこの日比谷野音でのライヴを境に彼らは4人編成となったわけだが、それをひとつのきっかけとして彼らは以前にも増してシンプルに真っすぐに音楽を鳴らすことに突き進んでいくようになっている。この日のステージでも、さまざまなタイプの曲を披露しながら、そのシンプルで真っすぐな思いはいよいよ鮮明になっていき、だからこそオーディエンスもなんの気兼ねもなく、その音楽に身を委ねられる。雨が降っても降らなくても、とにかく音楽って気持ちいい。そのことだけに向かって演奏は続き、会場の一体感は深まっていった。

 


(photo by 徳之島与志[keng kong graphic] )

 

この日会場限定で先行リリースされ、本日5月8日に発売日を迎えた末光篤とのコラボレーション・シングル『カモメトゥモロー/世界を変えるピアノが歌う』より“カモメトゥモロー”を披露した後、People Ine The Boxの波多野を迎え入れて演奏した“東京”は間違いなくこの日のクライマックスであり、またイヴェントのメッセージを結晶化したような1曲になった。〈イッツオーライ/僕らの日々を大きな声で〉というリフレインが都会の真ん中で響き渡るとき、それはポップ・ミュージックの細かなジャンル分けを超えて〈都市のフォークロア〉となり、オーディエンスにとってはゴールデンウィーク的高揚と都市的日常とを穏やかにつなぐ特別なおまじないとして心に刻まれたに違いない。(文/兼田達矢)

★タワーレコードの企画によるGOING UNDER GROUNDと末光篤(SUEMITSU & THE SUEMITH)のコラボレーション盤『カモメトゥモロー/世界を変えるピアノが歌う』の詳細情報はこちらから

 

〈GOING UNDER GROUND ライヴ情報〉
日時/会場:
5月11日(土) 香川・高松DIME
5月12日(日) 京都磔磔
5月25日(土) 熊本DRUM Be-9 V2
5月26日(日) 広島CLUB QUATTRO
6月1日(土) 岩手・盛岡club Change WAVE
6月2日(日) 秋田CLUB SWINDLE
6月8日(土) 大阪MUSIC CLUB JANUS
6月22日(土) 千葉LOOK
6月23日(日) HEAVEN'S ROCKさいたま新都心

 

〈GOING UNDER GROUND TOUR 2013「Roots&Routes」 FINAL上半期大感謝祭「カモメたちトゥモロー」〉
日時/会場:7月13日(土) 東京・恵比寿LIQUIDROOM
開場/開演:17:00/18:00
チケット一般発売:6月8日
問い合わせ:VINTAGE ROCK(03-3776-6900)

カテゴリ : ニュース ライブ

掲載: 2013年05月08日 17:30

更新: 2013年05月09日 21:24

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