日向坂46、恒例のクリスマス・ライヴ「ひなくり2021」開催。念願の初東京ドーム公演を発表
カメラ:上山陽介
日向坂46が、12月25日に千葉 幕張メッセでライヴ「ひなくり2021」の最終日公演を行った。このクリスマス・ライヴは、現在のグループ名の日向坂46に改名する前のけやき坂46時代から4年連続で開催している恒例のイベントで、今回は2年ぶりの有観客ライヴとなった。
アンコールでは、2022年3月30日、31日にグループ初の東京ドーム公演を行うことも発表。日向坂46の東京ドーム公演は、新型コロナウイルス蔓延のため開催が延期されていたもので、発表から実に2年3ヶ月越しにファンとの約束を果たす形となった。
この日のライヴの冒頭は、空色のパーカー付きの衣装を身に纏ったメンバーたちがステージ奥から登場。カップリング曲ながらファンからの評価も高い“アディショナルタイム”、ハードなギター・サウンドが特徴的な“膨大な夢に押し潰されて”、さらに「チョキチョキダンス」が印象的な“ソンナコトナイヨ”を続けて歌った。“膨大な夢に押し潰されて”では、天井から降りてきたケージの中にひとりずつ入り、ステージに横一列に並ぶ形でクールなパフォーマンスを見せた。
序盤からアップテンポな曲で畳み掛け、冬の幕張をヒートアップさせたあとは、この日最初のMCコーナーへ。メンバー全員で「私たち、日向坂46です!」と、いつにも増して元気良く挨拶する。加藤史帆は「クリスマスにこうやってたくさんの方と過ごせて、配信を観てくださる方もいて。今日は世界中でいっちばん幸せな空間にしましょー!」、渡邉美穂は「意外と(客席が)見えるんですよね。私もこの会場全員の人と目を合わせるくらいの勢いでいきたいと思ってるんで、みなさん一緒に楽しみましょう!」と、それぞれ抱負を語った。
ここからは、日向坂46らしい元気な曲が続く。1stアルバムのリード曲“アザトカワイイ”では、間奏でクリスマス・ソングをアレンジしたトラックが流れ、ステッキを手にしたメンバーたちがかわいらしく踊った。そして2、3期生によるダンス・トラックを挟み、1期生が“好きということは…”を披露。メンバーが「ソリッコ」と呼ぶソリを模したトロッコに乗り込み、フェスよろしく頭上でタオルを回しながらハイテンションで会場を練り歩いた。続く2期生もソリッコに乗り込み、“世界にはThank you!が溢れている”を歌いながら、会場のファンに手を振って後方のステージへと移動していった。3期生はアリーナ・スペースに設置された巨大なイルミネーションの下で、飛び跳ねながら“この夏をジャムにしよう”をパフォーマンス。さっそく観客たちのもとにメンバーが会いに行く形となり、色とりどりの推しサイリウム・カラーで会場が染まった。
そして加藤史帆が、ソロ曲“嘆きのDelete”を歌唱。普段の「へにょへにょ」なキャラクターからは想像もつかない激情系の歌声を披露した。続いて、童話的な世界観の影絵をバックに、花ちゃんズが“まさか 偶然…”をギターで弾き語りする。花ちゃんズは2期生の富田鈴花と松田好花によるフォーク・デュオで、完全生演奏/生歌で会場を温めた。
こうして会場後方ステージに集結したメンバーたちは、グループ史上でもっとも大人びた恋愛ソング“こんなに好きになっちゃっていいの?”を披露。「日向坂の歌姫」としても知られる齊藤京子がセンターに立ち、切ない恋心を熱唱した。さらに、生命と時間の流れを歌った壮大な曲“川は流れる”をパフォーマンス。この2曲の流れは、デビュー以来多くの振付を担当している振付ユニット CRE8BOYによる華麗なフォーメーション・ダンスが楽しめる構成になっており、また前方だけでなく後方のステージもメインで使用するという演出プランは、広い幕張メッセの会場をうまく生かしていた。
再びMCに移行すると、話題はクリスマスの思い出へ。メンバーから「5歳児」と言ってかわいがられている東村芽依が、「何年か前にクリスマスに雪が降ってた日があって、雪だるまを作ったのが思い出」と語ると、後輩たちからも「かわいー」という声が上がった。これに富田鈴花が「甘やかし過ぎじゃないですか」と冷静なツッコミを入れると、加藤史帆も楽屋で東村が「空を見ると踊りたくなる」と言って踊っていることを暴露した。
ここで、イルミネーションで飾られた大きな列車型のトロッコが登場。勢いよく乗り込んだメンバーたちは“ホントの時間”、“何度でも何度でも”、“日向坂”といったカップリング/アルバム収録曲を立て続けに披露した。セルフ・タイトルの“日向坂”は、グループのこれまでの道のりを歌ったもので、「ちょっと遠回りをして どうにかここまでやって来た」という歌詞が、下積みの時期や改名を経て今やトップ・アイドルとなった日向坂46の歴史を思い出させてくれた。
牧歌的な雰囲気のパートのあとは、一転して攻撃的な展開に。佐々木美玲を中心とする赤いワンピースを着たチームと、加藤史帆を中心とする青いワンピースを着たチームが、前方ステージと後方ステージに分かれてダンス・バトルをする。“My fans”のパフォーマンスが始まると、特効による炎の柱と水のカーテンで、ステージ上はカオスになった。この水のカーテンは今回初めて使用されたもので、人気アーティストのライヴならではの規模感がある派手な演出だった。
山口陽世を始めとするメンバーがコール・アンド・レスポンスでさらに会場を煽ると、河田陽菜の「私たちとおひさま(日向坂46のファンの総称)、どっちが盛り上がれるか、勝負よ!」という挑発をきっかけに、日向坂46のライヴの鉄板曲“キツネ”をパフォーマンス。続いて、金村美玖が初センターを務めた最新シングル“ってか”を披露し、間奏ではバックの巨大スクリーンで、ミュージック・ビデオにも出現する暴れる人参のモンスターに、金村を中心に潮紗理菜らメンバーたちが立ち向かうといった、ライヴならではのアレンジを加えていた。こうした演劇性のあるダンスは、デビュー前から振付を担当しているTAKAHIROの得意とするところだ。こうして日向坂46の最新にして最高のパフォーマンスを見せつけたあとは、金村の「みなさーん、今年最後のライヴですよ! 盛り上がっていきましょう!」という煽りをきっかけに、グループ結成当初から歌い継いでいるキラーチューン“誰よりも高く跳べ!”を投下。ステージいっぱいに広がったメンバーたちが拳を突き上げながらジャンプする様は圧巻だった。
ここでステージが暗転してしばらく経つと、今度は真っ赤なサンタ衣装を着たメンバーたちが登場。前日の音楽特番でも着用していたクリスマス限定の衣装で、全力のハッピー・オーラを振りまきながら“思いがけないダブルレインボー”を歌唱、さらにトロッコに乗り込んで会場を縦断しながら“JOYFUL LOVE”を歌った。この“JOYFUL LOVE”では、会場のファンがサイリウムで虹を作るのが恒例となっているが、今回は“思いがけないダブルレインボー”でも二重の虹が出現。いずれもファン発信で行われている企画で、おひさまの愛情がよく伝わってくる感動的な光景だった。
この曲終わりで、佐々木久美が「私たちはおひさまのみなさんがほんとに大好きです。また来年も再来年も、その先も、私たちと一緒にクリスマスを過ごしてくれますか?」とファンに問いかけ、ライヴ本編が終了した。
アンコールでは、加藤史帆の「配信を観てるおひさまのみんな、そしてここにいるおひさまのおかげで、最高のクリスマスになりました! おひさまとひなくりしか、勝たん!」という元気な言葉と共に、“君しか勝たん”を披露。続くMCで、齊藤京子は「ひなくりは毎年やらせていただいてるんですけど、有観客は2年ぶりなので、まず開催できてよかったなと。トロッコで、今までで一番、おひさまのみなさんの近くに行けた」と、ファンの近くで歌えた喜びを語った。また、丹生明里は「やりたいことがひとつありまして」と前置きしながら、大好きな「ドラゴンボール」のかめはめ波を出したいとファンに要請。丹生が「かめはめ波ー!」と叫ぶと、オレンジのサイリウムでできた巨大なウェーブが会場後方まで流れていった。最年少の上村ひなのは、「クリスマスが1年の中でいっちばん好きで、ひなくりのこともいっちばん好きなんです。たくさんのおひさまがこうやって集まってくださって、会場だけじゃなく向こう側でも配信で私たちのことを観てくださってるって考えたら、胸がいっぱいになりました」と胸の内を明かした。
最後にMCを引き継いだのは佐々木久美。「こうやってみなさんがずーっとどんなときでも私たちの味方でいてくださって、思いっきり楽しんでくれて、感謝が止まらないんですけど。年末に3年連続で紅白に出場させていただきますし、ありがとうの言葉では足りないくらい感謝の気持ちでいっぱいです。そんなみなさんにもっと恩返しがしたいなって思って、ちょっと発表があります」と、後方のスクリーンに向き直った。するとVTRで、日向坂46のデビュー以来の映像が流されたあとに、「日向坂46 3周年MEMORIALLIVE 3回目のひな誕祭開催決定!!」という文字が。毎年デビュー日に合わせて行っているライヴだが、今年は3月30日、31日に行うことが発表された。しかし発表はこれだけに終わらなかった。「私たちの口から場所を発表させていただきたいと思います」という前置きに続いて、メンバー全員で「東京ドームー!」と絶叫。この瞬間、客席からは歓喜の声だけではなく、驚きで息を呑む音まで聞こえてくるようだった。
佐々木久美が続ける。「初めて東京ドームでライヴをさせていただくってサプライズで知ったのが、2019年のひなくりで、それから延期になってしまって。ずっとおひさまのみなさんが待ってくださってるのに、なかなか叶わなくて、申し訳ない気持ちだったし、だからってどうすることもできなくてもどかしい気持ちでいたんですけど、ついに来年の3月にやらせていただくことになりました」、「私たちの口から東京ドームでやるよってみなさんにお知らせできたのが、ほんっとうに嬉しいです。私たちが東京ドームでやるグループになれたのかっていうのが、その自覚とか覚悟が、この2年間でつきました。だから最高のひな誕祭にします。みなさん待っててね!」と、メンバーを代表して正直な思いを語った。
そして「ついにあの場所に行けるっていう最高の気持ちで、あの曲を歌いたいと思います!」という曲フリと共に、東京ドームへの思いが込められた“約束の卵”を歌唱。これまでずっとライヴの締めに歌ってきた曲を、今度こそ本当に約束を叶えた証として、ファンと分かち合った。
日向坂46の前身のけやき坂46が発足したのは2015年。そして日向坂46としてデビューしたのは2019年。10~20代のメンバーたちにとっては長い時間をグループに捧げてきたことになる。その彼女たちの最大の夢である東京ドーム公演がこれほど長期間延期されてきたのは、日向坂46が背負った過酷な運命を象徴すると共に、コロナ時代のアーティストたちのリアルな苦悩を現している。しかし、夢が遠のいても立ち止まらずに努力し続けてきたからこそ、この期間で佐々木久美の言うように「自信と覚悟」が備わった。日向坂46の東京ドーム公演は、停滞したライヴ・シーンの復活を告げると共に、彼女たちが本当のトップ・アイドルになったことを示す場になるだろう。
カメラ:上山陽介
▼ライヴ情報
「3周年記念MEMORIAL LIVE ~3回目のひな誕祭~」
2022年3月30日(水)、31日(木)東京ドーム
https://www.hinatazaka46.com/s/official/page/roadtotokyodome
▼リリース情報
けやき坂46
Blu-ray
『~ひらがな推し~初ガツオを推すしかない編』
2022年1月1日(土)リリース
Blu-ray
『~ひらがな推し~好きな人いるの?ニブだよ編』
2022年1月1日(土)リリース
Blu-ray
『~ひらがな推し~ヘビーリトルトゥース誕生編』
2022年1月1日(土)リリース
Blu-ray
『~ひらがな推し~埼玉と春日が生んだ怒涛の起爆剤編』
2022年1月1日(土)リリース
Blu-ray
『~ひらがな推し~いつでもどこでも変化球編』
2022年1月1日(土)リリース
■特典あり
先着で「ポストカード(各タイトル別絵柄)」をプレゼント!
※特典満了次第終了とさせていただきます。
日向坂46
6thシングル
『ってか』
NOW ON SALE
カテゴリ : タワーレコード オンライン ニュース | タグ : Girl's Pop Information
掲載: 2021年12月28日 09:45