乃木坂46、山下美月が約8年間のアイドル人生に幕。「生まれ変わっても絶対にアイドルになりたい」
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乃木坂46 山下美月の卒業コンサートが5月11日~12日に東京ドームで開催された。
2016年9月に3期生としてグループに加入して以降、アイドル活動以外にもモデルや女優など多方面で活躍し続けてきた山下。約8年間にわたるアイドル人生の集大成となるステージは、グループにとって1年ぶりの東京ドーム2デイズ公演にて実施された。会場には2日合計で約10万人が足を運んだほか、2公演ともインターネット生配信が実施され、多くのファンが山下の新たな門出を見守った。
最新シングル“チャンスは平等”からスタートした11日公演は、冒頭で山下が月型ゴンドラに乗って登場。山下自身が考案したというセットリストは「卒コンっぽくない内容」をテーマに、グループの基盤を築き上げた先輩メンバーへのリスペクトを込めつつ、様々な場面で現メンバーにもスポットが当たる形で進行していく。
美月の「美」にちなんだ楽曲ブロックのほか、若様軍団をはじめとする「軍団」曲ブロック、メンバー全員が「うさみみ」をつけてパフォーマンスするなど、多彩なセットリスト&演出で観客を魅力。
特に「軍団」曲ブロックでは山下、賀喜遥香、五百城茉央、一ノ瀬美空、川﨑桜からなる1日限りの「山下軍団」も登場し、今回のために山下自身が作詞や振付を手掛けた新曲“恋山病(こいざんびょう)”も初披露され、終始笑顔の絶えないライヴとなった。
続く12日の最終公演も山下考案のセットリストのもと、彼女が愛した乃木坂46の魅力が凝縮された魅力的なセットリストで展開していった。会場が暗転するとスクリーンに「山下美月」、「乃木坂46」、「LAST DAY」の文字が表示され、そのまま“OVERTURE”に突入。
逆光が差すなか、山下がひとり姿を現すと「今日は私にとってアイドルとしての最後の1日です。ここまでみなさんと共に一緒に来ることができて、本当に幸せでした。最後までよろしくお願いします」と挨拶し、3期生楽曲“三番目の風”からライヴをスタートさせる。
ステージ上には山下をはじめ3期生が勢揃いし、「3期生、いくぞーっ!」の掛け声をきっかけに会場のボルテージは急上昇。その後、4期生や5期生も合流し、“自分じゃない感じ”へと続き、“ガールズルール”では曲冒頭で山下が「東京ドーム、騒げーっ!」と観客を煽り、会場の熱量はさらに高まり続ける。
以降も“13日の金曜日”、“ハウス!”といったライヴの定番曲を連発し、うさぎ型トロッコに乗ったメンバーがファンの近くまで出向いた。そして、山下が初めてシングル表題曲でセンターを務めた“僕は僕を好きになる”で、早くもこの日最初のクライマックスを迎える。
MCでは「まだ実感が湧かないですけど、昨日すごく楽しいライヴができて、今日は冒頭から「これで最後なんだな」と1曲ずつカウントダウンしている感覚」と口にする山下。続くブロックでは、美月の「月」にちなんだ楽曲を連発。“満月が消えた”、“月の大きさ”、“届かなくたって…”をメドレー形式で披露すると、“狼に口笛を”では狼の姿をしたダンサーも加わりライヴに華を添える。
ユニット・ブロックでは「自分がセンターにもかかわらず、MV撮影当日に振り入れをして、それ以来一度も踊ったことがない」という坂道AKBの楽曲“初恋ドア”を、4期生の黒見明香、佐藤璃果、林瑠奈、松尾美佑、弓木奈於と共にライヴ初披露。
梅澤美波とふたりで歌う“ファンタスティック3色パン”では、曲中ビーチフラッグ対決をして負けた山下が「自分史上最高のぶりっ子ひと言」を無茶振りされたり、梅澤から山下に向けて「これからは背負うものは何もない、外から見る乃木坂を楽しんでほしい。そして、外から乃木坂がどう見えるのか教えてください」とメッセージを送る。
また、「からあげ姉妹(生田絵梨花&松村沙友理)」“1・2・3”では伊藤理々杏が山下とふたりで一緒に歌える喜びを口にし、“言霊砲”では与田祐希が「あなたは乃木坂の誇りです」、久保史緒里が「ずっと言えなかったけど……最後に言わせてください。山下をずっと尊敬していたし、ずっと大好きでした」と、同期メンバーがそれぞれの思いを伝える。
早くも落涙する山下だが、“無口なライオン”では彼女を慕う賀喜遥香とハグするひと幕もあり、山下らしい強いグループ愛が伝わる選曲と、メンバーから山下への感謝が強く感じられる演出でファンを楽しませていく。
初日はオリジナルのユニット編成で披露した“銭湯ラプソディー”も、この日はメンバー全員でパフォーマンス。曲中、手拭いを頭に乗せたメンバーがシャンプーハットを客席に投げ込む演出で大きな盛り上がりを見せると、そのあとも“裸足でSummer”、“おいでシャンプー”と曲ごとに会場の沸点が更新されていった。
山下を除く3期生が思い出話に花を咲かせるMCを経て、ライヴは折り返し。山下は“心にもないこと”で5期生と一緒に歌い踊ったかと思えば、曲中「絶対に明るい未来しか待っていないと私が保証するので、何も心配なく、無理をせず乃木坂を楽しんでくれたら」とグループを託す言葉を送ったほか、同日に22歳の誕生日を迎えた池田瑛紗をお祝いするサプライズも用意。
“図書室の君へ”では、大阪で舞台出演中の柴田柚菜を加えた4期生と共に歌唱し、最後に全員揃ったところで“何もできずにそばにいる”を、感情をたっぷり込めて歌ってみせた。
繊細さと可憐さを漂わせるダンス・パートを経て、“世界で一番 孤独なLover”からライヴは佳境に突入。派手なパイロ演出を交えながら熱量を高めていくと、山下と久保が初めてダブル・センターを務めたカップリング曲“不眠症”、山下が初選抜入りを遂げた“シンクロニシティ”と思い出の楽曲が続く。
さらに、“帰り道は遠回りしたくなる”や“Sing Out!”と敬愛する先輩たちがセンターに立った楽曲を連発すると、最後の曲に入る前に山下から同期メンバーへメッセージが送られる。
「乃木坂の3期生だったからここまで続けてこられたし、生まれ変わっても私は絶対アイドルになりたいし、乃木坂の3期生になってまた11人の仲間と出会いたいなと思うぐらい、一生で一番の出会いだったと思います。私は不器用で甘え下手なので、感謝を伝えきれてなかったなってちょっと後悔しています。なので、これから困ったことがあったら、全世界が敵になっても私は3期生の味方でいます」と告げた山下は、“思い出ファースト”を最高の笑顔で披露。パフォーマンスを終えると「私にとって一生忘れることのない、大切な思い出がまたひとつ増えました。アイドルとして私は全力を出し切ったし、何も悔いはないし、ここから前を向いて生きていけます」と伝えて、ライヴ本編を終えた。
アンコールでは、いよいよ山下の卒業セレモニーに突入する。オーディションから今日までを振り返る映像を経て、白いドレス姿の山下がステージに登場。ここまで自分を育ててくれた家族や、今回のライヴに向けて自身のリクエストを叶えてくれたスタッフへの感謝の気持ちを伝えていく。また、大切なファンに向けては「みなさんが思っている以上に、私は日々みなさんのことを考えていて。みなさんがいたから、体調がちょっと優れなくてもステージに立てばキラキラ歌って踊ることができたし、もうダメかもしれないってときもブログのコメントとか今までいただいたお手紙を見返して、「こうやって私のことを支えてくださるみなさんがいるんだから、弱音を吐いてちゃダメだ!」って強くなることができました」と口にする。
さらに、「アイドルとしての私はきっと、自分で言うのもなんだけど、すごく強かったと思う。でも、ひとりの人間としてはめちゃくちゃ脆くて弱かった。これから少しお休みをいただくんですけど、またみなさんにお会いする機会を絶対作るし、みなさんが安心して応援できるような存在であり続けたいなと思うので、どうかこれからもずっと見守ってくださったら嬉しいです」と今後についても前向きな言葉を寄せた。
「みなさんの希望になれたかはわからないけど、卒業コンサートにこんなにもたくさんの方々が来てくださったという事実だけで、私は約8年間諦めずに、ここまで走ってこられて本当に良かったなと思います。私は生まれ変わっても絶対にアイドルになりたいです。みなさんが私のことをアイドルにしてくれたので、また来世もみなさんが私のことをアイドルにしてください。出会ってくれて、本当にありがとうございました」というメッセージに続いて、自身が作詞を手掛けた最初で最後のソロ曲“夏桜”を歌い始める。
曲が始まると、客席はピンク×白のペンライトで染め上げられ、直筆の歌詞が映されるスクリーンを背に山下は笑みを浮かべながら、時に客席を見回しながら最後まで丁寧に歌い上げた。
そのあとメンバーがステージに登場し、山下を囲む形で“未来の答え”を歌唱。ひとりひとりメンバーとコミュニケーションを取りながら、この曲に込められた思いを歌い紡いでいく。そして、“好きになってみた”、“人は夢を二度見る”をみんなで歌うなか、山下はうさぎ型トロッコに乗って会場を一周しながらファンに笑顔を振りまいていった。
最後の曲に入る前に、各期を代表して一ノ瀬が「美月さんにしていただいたことを、これからは後輩たちにたくさんできるように頑張るので、見ていてください」、賀喜が「アイドルになってくださって、あのとき目の前が真っ暗かもしれないって思った私の希望になってくれて、ありがとうございました」、伊藤が「これからはメンバーではなく、親友としてどうぞよろしくお願いします。これまで頑張ってきたぶん、いっぱいいっぱい幸せになってね」とそれぞれ山下に思いを伝える。
そして、最後の最後に山下が「最後は私らしく、笑顔で終わりたいと思います」と口にして、“チャンスは平等”を明るい表情でパフォーマンスして3時間を超える「アイドル山下美月のラストステージ」を完遂した。
ドームの天井に「美月ありがとう」のメッセージが浮かび上がり、観客が「たくさんのあいを ありがとう」のメッセージが書かれたシートを掲げるなか、山下は「みなさんから愛を貰ったことだし、私は月に帰ります」と告げて月型のゴンドラに乗り、「また会えるのを楽しみにしています」という言葉を残してステージをあとにした。
最高の輝きを放ちながら、アイドルとしてのラスト・ステージを見事にやり切った山下。そんな彼女を華やかに送り出し、乃木坂46は新たな一歩を踏み出す。山下の意思を引き継いだ彼女たちが、ここからどんな未来を見せてくれるのか、楽しみにしていてほしい。
(文/西廣智一)
乃木坂46LLC
▼リリース情報
乃木坂46
35thシングル
『チャンスは平等』
NOW ON SALE
Blu-ray&DVD
『乃木坂46 11th YEAR BIRTHDAY LIVE』
NOW ON SALE
■Blu-ray
■DVD
▼ライヴ情報
「乃木坂46 35thSGアンダーライブ」
6月7日(金)、8日(土)、9日(日)東京有明アリーナ
▼番組情報
「マネージャー対抗 乃木坂野球部交流戦!」
文化放送:5月16日(木)19:00~20:00
ニッポン放送:5月18日(土)19:30~20:30
パーソナリティ:久保史緒里 / 向井葉月(乃木坂46)
アシスタント:斉藤一美アナウンサー(文化放送) / 清水久嗣アナウンサー(ニッポン放送)
アニメ「ATRI -My Dear Moments-」
2024年夏放送
キャスト:小野賢章 / 赤尾ひかる / 髙橋ミナミ / 細谷佳正 / 日笠陽子 / 春野杏
原作:「ATRI -My Dear Moments-」(ANIPLEX.EXE)
監督:加藤誠
オープニング・アーティスト:乃木坂46
エンディング・アーティスト:22/7
アニメーション制作:TROYCA
アニメ公式HP:https://atri-anime.com/
アニメ公式SNS:@ATRI_anime
▼配信情報
Lemino『しあわせなんて、なければいいのに。』
5月17日(金)12:00~ Leminoにて独占配信
出演者:北川悠理(元乃木坂46) / 筒井あやめ、賀喜遥香、遠藤さくら、金川紗耶、黒見明香、佐藤璃果、柴田柚菜、清宮レイ、田村真佑、矢久保美緒、弓木奈於(いずれも乃木坂46)
原案:北川悠理
脚本:北川悠理 / 伊達さん(大人のカフェ)
監督:高橋栄樹
映像尺:約60分
特設サイト:https://lemino.docomo.ne.jp/ft/0000056/
▼CM情報
ディズニー★JCBカード 新CM「踏み出す勇気」篇(60秒 / 30秒 / 15秒)
出演:遠藤さくら / 井上和(乃木坂46)
▼書籍情報
「anan No. 2393」
表紙:山下美月(乃木坂46)
山下美月(乃木坂46)
2nd写真集
「乃木坂46 山下美月2nd写真集「ヒロイン」」
「ENTAME(エンタメ) 2024年6月・7月合併号」
表紙:与田祐希(乃木坂46)
阪口珠美(乃木坂46)
1st写真集
「阪口珠美1st写真集『タイトル未定』」
「B.L.T.2024年5月号」
表紙:梅澤美波(乃木坂46)
5期生写真集
「あの頃、乃木坂にいた」
カテゴリ : タワーレコード オンライン ニュース | タグ : Girl's Pop Information
掲載: 2024年05月14日 13:00