乃木坂46、全国5都市のZeppツアー「36thSGアンダーライブ」完遂。「37thSGアンダーライブ」開催も決定
乃木坂46「36thSGアンダーライブ」の最終公演が11月20日、KT Zepp Yokohamaにて開催された。36thシングル『チートデイ』のアンダー楽曲“落とし物”歌唱メンバーによる今回のアンダー・ライヴは、2年ぶりとなるツアー形式で行われ、福岡を皮切りに愛知、大阪、北海道、神奈川の5都市で計11公演を実施。5期生としては中西アルノに続いて2人目となるアンダー・センター 奥田いろはを中心に、新たな試みを取り入れたセットリストで見応えのあるステージを展開した。なお、11月19日、20日の2公演はインターネット配信も実施された。
今回のアンダー・ライヴは、メンバーそれぞれが「個としての力」をテーマに3曲ずつ披露していくことがテーマ。与えられたキーワードとして用意されたのは、「思い入れ」、「新たな一面」、「個の魅力」の3つだ。前日11月19日の公演では、佐藤璃果が“シークレットグラフィティー”でトレー片手にカフェ店員の装いでダンスを、黒見明香は“その女”で剣技を披露したかと思えば、吉田綾乃クリスティーは向井葉月、佐藤楓と共に“君が扇いでくれた”を歌唱し同期の絆を見せた。
一方、伊藤理々杏は“ファンタスティック3色パン”で好きなパンを「衝動」のラストポーズ風に言い放ち、佐藤楓は苦手な「寸劇」にチャレンジする等コミカルな一面も見せる。19日のソロ・コーナーは柴田柚菜が締めくくり、“誰よりそばにいたい”持ち前の歌唱力で歌い上げた。
そして迎えた20日公演。ついに36thシングル・アンダー・メンバー13人が勢揃い。会場が暗転すると、メンバーが静かにステージに登場。最後に奥田が中央に立つと、そのまま“日常”からライヴはスタートする。彼女をセンターに据えたこの曲では、元来の熱量の高さはそのままに、クールさやしなやかさも漂わせたパフォーマンスで独特の存在感を放ち続ける。
1曲終えると、そのまま奥田がステージに残り、座長として挨拶。この日はどんな趣向を凝らした選曲&演出で、観る者を楽しませてくれるのか、始まる前から期待は高まっていく。
改めて“OVERTURE”が会場に鳴り響くと、まずステージに登場したのは林瑠奈。彼女は思い入れの強い1曲として“嫉妬の権利”を、メンバー数名とともに、感情たっぷりに披露すると、激甘アイドルに振り切った“さ~ゆ~Ready?”、彼女の歌唱力の高さが思う存分発揮された“車道側”と、振り幅の広さを提示してみせる。曲間には各曲に込めた思いや、自身を応援してくれるファンに向けて感謝を伝える場面もあった。
その後も矢久保美緒が“生まれたままで”、“雲になればいい”、“口ほどにもないKISS”と乃木坂46愛が強く伝わる選曲でファンのハートを掴み、岡本姫奈は“三角の空き地”、“その先の出口”、“自由の彼方”をバレエで培った表現力にてパフォーマンス。吉田綾乃クリスティーは「乃木坂46の未来を私たちに託してほしい」という思いを込めて“君が扇いでくれた”、“低体温のキス”、“君は僕と会わない方がよかったのかな”を緩急付けて歌唱し、ツアー初登場となる中村麗乃は自身のセンター曲“悪い成分”を筆頭に、声が出にくい状況下ながらも“でこぴん”や“欲望のリインカーネーション”を力量の高いダンスで表現してみせた。
さらに、向井葉月は“ブランコ”、“Threefold choice”、“My rule”を通して8年以上にわたりグループで深めたアンダー・ライヴ愛を遺憾なく発揮し、松尾美佑は自身の背中を押してくれた“錆びたコンパス”、“もう少しの夢”やダイナミックなダンスを交えた“滑走路”を堂々と歌う。そして、本ブロックのトリを務める座長の奥田は、“初恋の人を今でも”、“コウモリよ”と高低差の強い選曲で観客を魅了したかと思えば、“左胸の勇気”をギター弾き語りで披露し、その多才ぶりでオーディエンスから称賛の拍手を浴びた。
ライヴ後半では奥田を中心とした“アンダー”を筆頭に、メンバーが一丸となってアンダー楽曲を立て続けに披露していく。伊藤&林のダブル・センターによる“さざ波は戻らない”や佐藤楓をセンターに迎えた“届かなくたって…”といった3期生以降のメンバーを中心とした楽曲はもちろん、黒見を中心に据えて激しく展開される“Hard to say”や林が艶やかさを見せる“Under's Love”も織り交ぜられ、アンダー楽曲の懐の深さを提示。そして、激しく点滅する照明演出を交えながら、松尾を筆頭に堂々とした佇まいで豪快なパフォーマンスを披露する“踏んでしまった”で、ライヴは最高潮に到達する。
最後の楽曲に入る前に、座長の奥田が現在の心境を口にする。彼女は「私はこの3年間、アンダー・メンバーとして活動してきました。当初は自分に自信を持てなくて、どう頑張ったらいいのか悩んだ時期もありました。そんなときに自分に与えられたのがアンダー・ライヴという場所」とここまでの道のりを説明。続けて「今回座長として(ツアーを)回らせていただくことになり、こんなに貴重な機会ってないから、全身全霊で、後悔がないようにと臨みました。こうして千秋楽を迎え、私は胸を張って言えます。頑張りました。何も後悔はありません」と、力強く宣言してみせた。そして、最後に彼女を支えてくれたファンへ向けて感謝の気持ちを込めて、自身の初センター曲“落とし物”を情熱的に歌い踊り、ライヴ本編を見事に締めくくった。
アンコールではライヴTシャツに着替えたメンバーが、“狼に口笛を”を元気いっぱいにパフォーマンスしてフロアの熱量を再び高めていく。その熱気は続く“指望遠鏡”でさらに上昇。メンバーは観客とコミュニケーションを図りながら、一体感を強めていった。
今回のアンダー・ライヴの感想を求められると、吉田は「個人のお仕事があって、神奈川3日間しか参加できなかったけど、本当に楽しくて。みんなが主役になれるこの場所が大好きだなと、改めて思いました」と伝え、佐藤楓は「今回は乃木坂にとっても新しい挑戦。壁にもぶつかったけど、8年経ってもまだまだ新しく挑戦できることってあるんだなと思った期間でした」と振り返りつつ、「アンダー・ライヴってそのときの座長の色が出るなと思っていて」と言って、座長の奥田を観客とともに「いろはちゃん、ありがとう!」と労う場面もあった。最後はメンバー、オーディエンスが“乃木坂の詩”で1つになり、「36thSGアンダーライブ」千秋楽を無事終えた。
ライヴはここで終了したが、座長の奥田からメンバー1人ずつへ向けたメッセージを、サプライズで届ける一幕も。そんな彼女の優しさに、メンバーは笑顔を見せたり涙を流したりして喜びを伝えた。さらに奥田は、卒業を控えた向井に対して「欲しいときに欲しい言葉をくれて、その愛にたくさん助けられました」と感謝を伝え、最後に「アンダー・メンバー13人、それぞれ違った魅力を持っていて、今回は一人一人の魅力をお届けできたかなと思います。これからもアンダー・ライヴを、乃木坂46をよろしくお願いします」と告げて、ステージを後にした。
メンバーが去ったあとも、客席からの「乃木坂46コール」は鳴り止まない。すると、ステージにメンバーが再登場。奥田が向井に一言求めると、「私は8年間、アンダー・ライヴに出る機会が多くて、だからこそこのライヴへの想いは本当に大きくて。ここまで応援してくださってありがとうございます。これからもアンダー・ライヴは続いていきますので、出演するメンバーの応援をよろしくお願いします」と挨拶してみせた。そんな向井に対し、フロアからは「葉月コール」が沸き起こり、彼女にエールを送る。最後はメンバー全員がマイクを使わずに挨拶をして、今回のアンダー・ライヴを終了させた。
そして、インターネット配信の最後にはサプライズが。新たに37thシングルのフォーメーションが発表された。次回のアンダー・センターを務めるのは、5期生 冨里奈央。さらに「37thSGアンダーライブ」の開催が発表され、冨里が座長としてアンダー・ライヴを引っ張ることが明らかになった。
12月11日に37thシングル『歩道橋』をリリースする乃木坂46。さらに10年ぶりの「大感謝祭」の開催や、NHK紅白歌合戦への出演も決定する等、すでに年末に向けて活発な動きが発表されている。選抜、アンダー共に、今後の乃木坂46の活躍から目が離せない。
(文/西廣智一)
▼ライヴ情報
「乃木坂46 37thSGアンダーライブ」
2025年1月28日(火)、29日(水)、30日(木)千葉 幕張メッセ 幕張イベントホール
開場 17:00 / 開演 18:30
▼リリース情報
乃木坂46
37thシングル
『歩道橋』
12月11日(水)リリース
▼イベント情報
「乃木坂46 大感謝祭2024」
12月14日(土)、15日(日)千葉 幕張メッセ 幕張イベントホール
開場 14:30 / 開演 16:00
※15日公演内にて「向井葉月 卒業セレモニー」実施
▼書籍情報
岩本蓮加(乃木坂46)
1st写真集
「乃木坂46 岩本蓮加1st写真集 いたずらな風」
「B.L.T.2025年1月号」
表紙:賀喜遥香(乃木坂46)
五百城茉央(乃木坂46)
1st写真集
「乃木坂46 五百城茉央 1st写真集『タイトル未定』」
「TRIANGLE magazine 03」
■与田祐希カバー
■遠藤さくらカバー
■小川彩カバー
「BRODY (ブロディ) 2024年10月号」
表紙:五百城茉央(乃木坂46)
カテゴリ : タワーレコード オンライン ニュース | タグ : Girl's Pop Information
掲載: 2024年11月22日 20:45