オルガン奏者のブッカーT・ジョーンズを中心に、マーキーズの一員だったスティーヴ・クロッパー（ギター）、さらにはアル・ジャクソン（ドラムス）、ドナルド“ダック”ダン（ベース）といった敏腕プレイヤーが集まったインストのソウル・バンド。いわゆる〈メンフィス・サウンド〉を生み出したスタジオ・ミュージシャンとしての功績の大きさは、モータウンで言うところのファンク・ブラザーズに匹敵するほどだが、彼らは決して日陰の存在ではなかった。それどころか、彼ら名義のレコードはヒップでグルーヴィーなダンス・ナンバーとして軒並みヒットを記録していたのだ。多くの人が耳にしたことがあるに違いない代表曲“Green Onions”（62年）以降もコンスタントにリリースを続け、タイトで重たいドラムと軽快なギターを軸にしたシンプルなサウンドを武器に、70年代スタックスにおいても看板アクトとして機能した。その後はブッカーがソロ・デビューし、他の面々もプロデューサーやセッション・プレイヤーに転身していくが、以降も折々に再集結を果たしている。多くの後進に愛される黄金のスタックス・グルーヴはいまも現役だ。
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- 公開
- 2007/05/02 18:00
- ソース
- 『bounce』 286号(2007/4/25)
- テキスト
- 文/出嶌 孝次
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