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第39回 ─ 愛のセレブレーション

ESSENTIALS 甘くて苦い、女と男の世界(その2)

連載
IN THE SHADOW OF SOUL
公開
2009/06/24   18:00
ソース
『bounce』 311号(2009/6/25)
テキスト
文/林 剛、出嶌 孝次

MARILYN McCOO & BILLY DAVIS Jr.
『I Hope We Got To Love In Tune』
 ABC/Collector's Choice(1976)
アシュフォード&シンプソン並みの夫唱婦随ぶりでお馴染みの夫妻が、フィフス・ディメンション脱退後に出した初のデュオ作。ドン・デイヴィスが制作したソウル・マインド溢れる名作で、〈皆のスターじゃなくて私だけのあなたでいて〉と歌われる“You Don't Have To Be A Star(To Be In My Show)”を筆頭に絶妙な掛け合いを聴かせる。男女デュオの鑑!
(林)

PEACHES & HERB
『2 Hot!』
 Polydor/Hip-O Select(1978)
もともとはワシントンDC出身の男女で66年に結成されたデュオ。本作はいったん解散した後、男性のハーブは変わらず、女性を(2代目のマリリン・マックーに続く)3代目のリンダ・グリーンに代えてからの再結成アルバム。制作はフレディ・ペレンで、快活なダンス・ナンバーや甘くロマンティック・バラードを息の合ったデュエットで聴かせる。チークタイムの定番だった“Reunited”で多くの男女が結ばれたそうです。
(林)

MILLIE JACKSON & ISAAC HAYES
『Royal Rappin's』
 Spring/Southbound(1979)
何とインパクトのある企画だろう。〈元祖ビッチ〉とスキンヘッドの〈ブラック・モーゼ〉が、マッスル・ショールズ産のディスコ~サザン・ソウル・サウンドに乗ってコッテコテのヴォーカルを披露する濃厚なデュエット盤。冒頭のメロウなミッド・ダンサー“Sweet Music, Soft Lights And You”でふたりの妖しい宮殿に迷い込んでしまったら……もう抜け出せません。
(林)


LINDA CLIFFORD & CURTIS MAYFIELD
『The Right Combination』
 Curtom(1980)
カーティスの前年作『Heartbeat』で実現した“Between You Baby And Me”をアルバム一枚に拡張した企画盤で、カートムのディスコ系シンガーと御大がぎこちなく寄り添う。アレンジはギル・アスキー、バックをケニ・バークやロニー・リーヴスが固めたディスコ期の布陣で、コアなファンの評価は芳しくない。ただ、純粋なラヴソングを好んだこの時期の彼の歌声の優しさには抗えないだろう。
(出嶌)


YARBROUGH & PEOPLES
『The Two Of Us』
 Mercury(1980)
後に夫婦となるダラス出身の幼馴染みの男女デュオ。ギャップ・バンドのチャーリー・ウィルソンに見い出された彼らは、同バンドのブレーンだったロニー・シモンズのバックアップを受けて本作でデビューしている。大ヒットしたミディアム・ファンク“Don't Stop The Music”を筆頭に、EW&F調の軽快な“You're My Song”やムーディーなスロウ“Come To Me”など好曲揃い。ふたりのハキハキした歌も好感度大だ。
(林)

MIKE AND BRENDA SUTTON
『Don't Hold Back』
 Sam/Pヴァイン(1981)
アシュフォード&シンプソンと入れ替わるようにモータウンのスタッフ・ライターとなったサットン夫妻。その彼らがフィニッシュド・タッチでの活動を経てNYのインディー・レーベルから放ったこの初デュオ作は、アーリー80'sならではのアーバンなダンサーやスロウが飛び出す好盤だ。目玉はシェリル・リンに提供した“Shake It Up Tonight”の雛型的な“We'll Make It”。ふたりのハモリもバッチリだ。
(林)