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DANCEHALL REGGAE

連載
Di(s)ctionary
公開
2010/07/22   15:27
更新
2010/07/22   15:27
ソース
bounce 322号 (2010年6月25日発行)
テキスト
特別講師/茂呂尚浩

 

I ダンスホール・レゲエの成り立ちと特徴

 

Di(s)ctionary_ダンスホール・レゲエ_A1

 

今回のテーマはジャマイカ発祥の〈ダンスホール・レゲエ〉です。ここではその成立に大きな影響を与えた80年代初頭のレゲエも、ひとつの括りのなかでいっしょに紹介していきたいと思います。理由はダンスホール・レゲエの定義自体が時間の経過と共に変化していて、音の特色だけでは説明がつかないからです。

狭義のダンスホール・レゲエとは、それまで生音でやっていた音作りを、当時〈コンピューターライズド〉と呼ばれたドラムマシーンやシンセサイザーを使った打ち込みにシフトさせたレゲエと言えます。分岐点は85年の〈Sleng Teng〉というトラックの出現でした。その特徴は、従来の〈ンチャカンチャカ〉といったワンドロップと呼ばれる裏打ちにアクセントを効かせたものに比べ、2拍3連のリズムが強調されたソカなどと共通するような汎カリブ的なビートにあります。少なくとも80年代末、日本にダンスホールの情報が入ってきた当初はそう定義されていました。

 

Di(s)ctionary_ダンスホール・レゲエ_A2

 

でもそれだけでは説明がつきません。その成立の背景には80年代初頭から盛んになっていった〈ラバダブ〉と呼ばれる、サウンドシステムの現場でレコードを使用しての即興的なライヴ・スタイルが大きな影響を与えているからです。そこから〈DJ〉というラップのような歌唱スタイルが成立し、このことがレゲエをよりクラブ・ミュージック的な性質のものへと移行させていきました。この流れのなかでシンガーからも影響を受け、歌とDJの両方の特徴を持つスタイル〈シングジェイ〉も生まれたのです。またラバダブの時に行われる、オケをミキサーのフェーダーでカットしてリズムを作る〈パンピング〉という手法が、以降の〈ダッダッダッ〉という2拍3連のダンスホール・ビートに繋がっていったとも言えそうです。

このようなことから、最新の音源と誕生期の音とではかなり様相が異なりますが、サウンドシステム中心にクリエイトされた音楽という意味で完全に地続きと言えるのです。

 

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