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ドリルンベースとは何か?

連載
360°
公開
2012/05/02   00:00
更新
2012/05/02   00:00
ソース
bounce 343号(2012年4月25日発行)
テキスト
文/石田靖博


日本で生まれた造語のドリルンベースは、レゲエやヒップホップを通過した黒いベース・ミュージックであるドラムンベースとは似て非なるものだ。ザックリ言えばグルーヴが希薄で白く、過剰な手数のビートをドラムンベース風のリズム・パターンに配置した、いわばミュータント・ドラムンベースなのである。その起源となるのはエイフェックス・ツインがAFX名義で95年に発表したEP〈Hangable Auto Bulb〉シリーズで、翌年の“Girl/Boy Song”が決定打となって、SQPやプラグ(ルーク・ヴァイバート)、マイク・パラディナスらも同種のスタイルを披露することになる。ウィンストンズ“Amen, Brother”などの定番ブレイクを編集して人間技では不可能なビート乱打を生み出すカオティックさは、後にエレクトロニカの鉄板フォーマットにもなった。主にテクノ畑のクリエイターがドラムンベースに取り組むと、大抵ドリルンベース的になるという言い方もできる。



▼関連盤を紹介

左から、AFXの編集盤『Hangable Auto Bulb』(Warp)、プラグの未発表音源集『Back On Time』(Ninja Tune)