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サイレンス──鈴木大拙、ジョン・ケージ、そして22世紀へ

サイレンス(3)

連載
OCHANOMA Pre-View
公開
2012/08/17   21:29
ソース
intoxicate vol.99(2012年8月20日発行号)
テキスト
文/柿沼敏江

思索空間と水鏡の庭(写真提供:鈴木大拙館)

静寂空間としての鈴木大拙館

2011年10月、鈴木大拙生誕の地、金沢に鈴木大拙館が開館した。「思索空間」「展示空間」などからなる建物全体を、「玄関の庭」「水鏡の庭」「露地の庭」が取り囲むようにつくられた静寂空間である。なかでも見応えがあるのが、全面に水を張った水鏡の庭で、思索空間を取り巻く鏡のような水面は、まるで見る人の内面を映し出すかのように、静かに佇んでいる。

ここを舞台として、ケージの生誕100周年を記念するコンサート「サイレンス〜大拙、ケージ、そして22世紀へ」(その2、10月13、 14日)が開かれる。鈴木大拙という哲学者が世界の人々に与えた影響ははかり知れないほど大きいと思われるが、音楽についていえば、ケージ以上にその影響を受けた人はいないだろう。ケージと一柳慧の作品で構成されるこのコンサートは、ケージに学んだ作曲家の一柳慧の企画で行なわれるもので、一柳自身が演奏者として出演する。ケージの《ある風景のなかで》や一柳の《時の佇まい》など、この静寂の場にふさわしい作品が演奏されるという。この哲学者ゆかりの地で、聴き手は「無心no-mind (ness)」の境地でその響きに静かに心を委ねることになるだろう。

LIVE  INFORMATION

『Silence
サイレンス ─大拙からケージ、そして22世紀へ─』

01:アルディッティ弦楽四重奏団+藪俊彦
9/15日(土)15:00開演

演目:
一柳慧:「インタースペース」
ジェルジュ・リゲティ:「弦楽四重奏曲第2番」
ジョン・ケージ:「4部の弦楽四重奏曲」
出演:アルディッティ弦楽四重奏団
共演:藪俊彦(宝生流能楽師)
会場:金沢21世紀美術館シアター21
www.kanazawa21.jp

02:一柳慧と〈水鏡の庭〉に響く宇宙
10/13日(土)・14日(日)18:00開演

演目:
一柳慧:時の佇いII  箜篌のための
一柳慧:月の変容  笙とヴァイオリンのための
ジョン・ケージ:ある風景のなかで
ジョン・ケージ:夜想曲
ジョン・ケージ:ピアノミュージック より
J.S. バッハ:ヴァイオリン協奏曲第1番 イ短調 BWV1041

出演:一柳慧(pf)、中澤沙央里(vn)、佐々木冬彦(hp&箜篌)、真鍋尚之(笙)
会場:鈴木大拙館
www.kanazawa-museum.jp/daisetz

主催&お問い合わせ:金沢21世紀美術館
www.kanazawa21.jp

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