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(第5回)廻る都市と言語 -葡萄牙~独逸編-

ゲルマン強化の旅!

連載
BO NINGENの人生一度きり
公開
2013/07/01   21:00
更新
2013/07/01   21:00
テキスト
文/Taigen Kawabe(BO NINGEN)


ゲルマン強化の旅!



【ゲルマン強化月間1:Jan St. Werner from Mouse on Mars編】

ポルトガルから帰ってきて数日挿んだ後、マウス・オン・マーズのヤン・ヴェルナー氏がミュンヘンで行う実験オペラ作品「Miscontinum」のレコーディングとリハーサルのためベルリンへ。

僕はベルリンが拠点のDevilmanというユニットにも参加しているため、何度も来ている街なのですが、今回はとにかく蒸し暑く、蚊が大量発生。キャンプしに来たようなヴァイブスを感じつつ、ベルリンの宿泊先である、Devilmanのシゲ(DJ Scotch Egg)と今回のプロジェクトでヴォーカルを務めたキャシー(ドラム・アイズ)の家へ。ドラム・アイズのライヴが週末にあったため、ドラムのE-daさん(元BOREDOMS)とリヴィングをシェアしてお馬鹿な話をしつつ、蕎麦を食べて就寝。

翌日から3日間、リハとレコーディングを兼ねてマウス・オン・マーズのスタジオにてひたすらヴォーカル録り。マウス・オン・マーズの2人(アンディ・トマもエンジニアとして常時参加)はもちろんのこと、今回ストーリーテラー/脚本として参加したマーカス・ポップ(オヴァル)は僕のグリッチ・ヒーローなので、お会いするだけでも大変緊張。



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緊張しながらスタジオへ乗り込む僕たち



……だったのですが、とりあえずみんな良い人。インテンスだったけど、ストレスはゼロのとても楽しいレコーディングになりました。



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休憩時間に、僕のエフェクターの光る部分にHARIBO(クマのグミ)を置きはじめるアンディ



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ヤンとキャシーと筆者の3人で



スタジオはもともと旧東ドイツ唯一のラジオ局だったとのことで、とても重厚な建物。



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(左)入口付近 (右)ドイツの建物ではレアな存在のエレヴェーターから



しかもお隣は廃墟。ということで休憩時間には探索に。



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(左)ということで休憩時間に探索 (右)廃墟内で見つけた90年代初頭のファッション誌



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同雑誌から




オシレーターか何かでしょうか?



廃墟探索から帰ると、ヤンが〈ここは東ドイツ唯一のラジオ局だったから、クラシックのコンサート、ニュース、子供番組から、要人や要注意人物の盗聴みたいなブラックなことまで全部やってたんだよ〉というお話を聞く。さっきの廃墟はもしかして……。

そして3日間のスタジオ作業を終え、ミュンヘンへ出発。車で7時間ぐらいかかるため、この日は移動のみ。僕はヤンの車に乗ったのですが、ミュンヘン到着直前の高速道路で、前日入りしていたアンディ(IKEA帰りだったらしい)の車と奇跡的に遭遇。



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ということで、なぜか高速の道を外れて川へ。ジャーマン



ミュンヘンに到着すると、そこは見事なまでに映画のセットのような街。前日話したダモ鈴木氏にミュンヘンの印象を訊いたところ、〈あんまり好きじゃない〉とのことで、何となくわかる感じ。ヤンも大学生の時にしばらく住んでいたそうですが、鬱になりかけたので引っ越したと言っておりました。でも観光や演奏で来るには最適、とのこと。2日間滞在しての僕の印象は、安全で綺麗な良い街。

ご飯を食べてキャシーと翌日の構成の打ち合わせをして就寝――そろそろ残りスペースが心配になってきたので、パフォーマンス当日は写真で振り返ってみましょう。



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(左)会場設営中 (右)衣装に身を包むマーカス・ポップ氏



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1時間以上に及ぶパフォーマンスだったため、腕にカンニングを施す筆者



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パフォーマンスの様子



キング・ミダス・サウンドも今回のヤン・ヴェルナーとのプロジェクトも、そして僕がやっているDevilmanやMainlinerも、そして自分のソロも、BO NINGENでは見つからない自分の声を探す大事な旅です。そしてそれらはBO NINGENに還元されるし、逆もまた然り。可能な限りいろいろな音楽を吸収したいし、還元したい。〈音楽的ビッチ〉と呼びたきゃ呼んで。



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