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第68回――回り続けるスピナーズ

ESSENTIALS――いま入手が容易なスピナーズ盤と、人気メンバーたちのソロ作を紹介! (1)

連載
IN THE SHADOW OF SOUL
公開
2013/11/20   00:00
ソース
bounce 360号(2013年10月25日発行)
テキスト
ディスクガイド/林 剛、出嶌孝次


THE SPINNERS 『The Original Spinners』 Motown/ユニバーサル(1967)

トライ・ファイ時代の“That's What Girls Are Made For”を含む記念すべき初アルバム。ドゥワップの薫りも放ちながら、65年のヒット“I'll Always Love You”など、硬質かつ滑らかなビートに乗ってボビー・スミスが端正なリードを聴かせるデトロイト・ソウルが強力だ。同名バンドのいるUKでは『The Detroit Spinners』という表題だった。*林

 

THE SPINNERS 『2nd Time Around』 V.I.P./ユニバーサル(1970)

モータウン傘下のV.I.P.から登場した2作目。GC・キャメロン唯一の参加作で、後にサンプリング・ソースの定番となるスティーヴィー・ワンダー作のグルーヴィー・ソウル“It's A Shame”をエネルギッシュに歌う姿が圧巻だ。ノーザン・ソウルの鑑とでも言うべき躍動感に満ちたアップからスウィートなバラードまで、カヴァーも含めて熱演。*林

 

SPINNERS 『Spinners』 Atlantic/ワーナー(1973)

アトランティック移籍第1弾。制作は初顔合わせとなるトム・ベルで、“I'll Be Around”“One Of A Kind(Love Affair)”“Could It Be I'm Falling In Love”という3曲のR&BチャートNo.1ヒットを輩出。フィリー・ソウル黄金期の壮大で流麗なサウンドをバックに、初参加のフィリップ・ウィンが温もりのあるハスキー・ヴォイスで友愛を歌い上げる名盤だ。*林

 

G.C. CAMERON 『Love Songs & Other Tragedies』 Tamla/Soulmusic(1974)

2000年代半ばにはテンプテーションズでも活躍した〈6つの声を持つ男〉の初ソロ作。スティーヴィー・ワンダーやウィリー・ハッチが制作にあたり、マーヴィン・ゲイまで参加した布陣からは当時のモータウンにおける好遇ぶりも明白に見えてくる。まろやかな演奏も相まって包容力を増した色男ヴォイスの味わいが実に素晴らしい。*出嶌

 

SPINNERS 『Mighty Love』 Atlantic/ワーナー(1974)

アトランティックでの2作目。ふたたびトム・ベルのプロデュースだが、表題曲など大半の曲でチャールズ・シモンズとジョセフ・ジェファーソンがペンを執り、フィリップの優しい声を活かすようなソフトでエレガントな曲が増えている。ボーイズIIメン“End Of The Road”の着想源とも言われるバラード“Love Don't Love Nobody”はその典型だろう。*林

 

SPINNERS 『New And Improved』 Atlantic/Rhino(1974)

プロデューサー/ソングライター共に前作とほぼ同じ体制によるアトランティック第3弾。後にR・ケリーがカヴァーした母に捧げるバラード“Sadie”など、これまたフィリップの声を活かした優美な曲が多く、女声コーラスの活躍も目立つ。ディオンヌ・ワーウィックと共演した“Then Came You”は彼らにとって唯一の全米No.1ソングとなった。*林

 

SPINNERS 『Pick Of The Litter』 Atlantic/Rhino(1975)

またまたトム・ベルの制作盤。フィリップの出番は減るも、バリトンのヘンリーがリードで歌うバラード“I Don't Want To Lose You”のようなキーボードのメロウな音色を活かした曲でスウィートに迫る。“Games People Play”はボビーのテナー・リードにパーヴィスのベース・ヴォイスやバーバラ・イングラムの女声が絡むポップな名曲。*林

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